杉江 松恋
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bookaholic認定2018年度翻訳ミステリーベスト10決定!
二人合わせて翻訳メン! の翻訳マン1号・川出正樹と翻訳マン・2号・杉江松恋がそれぞれの年間お気に入り作品10冊を発表し、その中から議論によって決定するbookaholic認定翻訳ミステリーベスト10。12月11日に千街晶之・若林踏・杉江松恋の3名で行われた国内篇に続いて12月25日に公開選考会が行われました。会場は駒込のBOOKS青いカバさん。平日夜...
芸人本書く列伝classic vol.31 六角精児『少し金を貸してくれないか』
粗暴な人、というのをテレビで観ることが少なくなったように思う。 文字通りの意味で暴漢でしかない人というのは、いる。ニュースの中に出てくる犯罪者がそれだ。しかし、粗暴というのは「物の考え方や行動の仕方が綿密でなくいいかげんな様子」のことだから、乱暴者とはちょっと違うのである。 瀬戸物屋に連れ込まれた牛、というのがまさに「粗暴」だ。別に暴れ出...
書評の・ようなもの サタミシュウ『彼女が望むものを与えよ』
奥付では本日、2018年12月25日刊になっているサタミシュウ『彼女が望むものを与えよ』(角川文庫)の217ページを見て驚いた。 本書は、松久淳『彼女が望むものを与えよ』(光文社/二〇〇七年三月刊)を著者名を変更のうえ、文庫化したものです。 サタミシュウ=松久淳ということは、これまで一部にしか知られていなかった事実だと思う。もしかすると、今回の文...
芸人本書く列伝classic vol.30 高田純次『高田純次のチンケな自伝』
高田純次には一度だけ取材でお会いしたことがある。還暦を前に出した『適当論』が当たり、「適当」をタイトルに戴いた著書を連発していたときのころである。たしか『適当男のカルタ』(青山出版社)とCD「適当男のポルカ」が同時発売された記念で、雑誌の企画として大竹まことと対談してもらったのである。 その話の内容はほとんど忘れてしまったのだが、高田純次が何か...
杉江松恋不善閑居 プレゼント
クリスマスイブということでこれまで貰ったプレゼントのうち、気に入っているものを。 これは何かというと、私なのだそうである。よく見るとわかるのだが、A4のコピー用紙の裏に書かれている。本当は、手は二本ともついていたはずなのだけど、どこかに行ってしまった。粘着テープでくっつけてあったので、経年劣化で剥がれてしまったらしい。 物書きの家...
芸人本書く列伝classic vol.29 坂上忍『偽悪のすすめ 嫌われることが怖くなくなる生き方』
テレビをほとんど観られない生活をしているのでそれ関連の情報に疎いのだが、「笑っていいとも!」の後継がパーソナリティが日替わりの番組で、そのうちの1人に坂上忍がいるということをネットのニュースで知った。 坂上忍、1967年生まれ。3歳のときに劇団に入り、1972年にテレビドラマデビューを果たしているので、46歳にしてすでに40年を超える芸歴を持っ...
芸人本書く列伝classic vol.28 萩本欽一・小林信彦『ふたりの笑タイム 名喜劇人たちの横顔・素顔・舞台裏』
小林信彦『日本の喜劇人』は、1972年に晶文社から刊行された。当時の名義は小林が評論を執筆する際に使っていた筆名の中原弓彦で、1977年に定本版として同社から再版、1982年に新潮文庫に入った。現在は再び『定本・日本の喜劇人』として新潮社から刊行されているが、これは夕刊フジ連載の『笑学百科』や渥美清、植木等、藤山寛美を扱った評伝三作を合本とし、単行本...
電撃座の落語会をお休みします~杉江松恋からのご挨拶
新宿五丁目にあるcafe livewireで私が企画立案した落語会を初めて開催したのは、2014年2月のことであった。最初の会は立川談四楼さん独演会「オールナイトで談四楼」である。終電でお客さんに来てもらい始発で帰るという「本当の深夜寄席」を謳ったこの会は、参加者と演者が体力勝負のチキンレースとなった。だいたい演者が勝つのである。もともとそんなつもり...
芸人本書く列伝classic vol.27 笑福亭鶴瓶・桂南光・桂文珍・桂ざこば・桂福團治・笑福亭仁鶴・小佐田定雄編『青春の上方落語』
私が最初に聴いた上方落語は、当代(三代目)桂米朝のそれだった。NHKのテレビで観たはずで、たしか演目は「鹿政談」だった。奉行の裁きの場面に迫力があり、子供心に「すごいおじさんだなあ」と思った記憶がある(関西弁のおっちゃん、ないしはおっさんという言い方は、まだ東京に入っていなかった)。 こうして明確に覚えているのは、逆にそれだけ上方落語を聴いてい...
落語通信 電撃座「談慶の意見だ ♯23」
一昨日の12月21日は新宿五丁目のcafe livewireにて落語立川流真打の立川談慶さん独演会「談慶の意見だ」であった。23回目をもってこの会は一旦終了する。最終回ということで大勢のお客さんが詰めかけ、盛況であった。 演目は以下のとおり。 動物園 らくだ 仲入り 芝浜 「動物園」は怠け者の男が急死したラ...