杉江 松恋
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電撃座通信 柳家やなぎ「よるやなぎ」20170319
柳家やなぎさんは前回日曜夜の「ひるやなぎ」という会にご出演いただいた。お客様から好評をいただいたので再登場をお願いした。今回の題名は「よるやなぎ」、つまり同じ日曜でも夜の出番である。昼から夜に替わったことでどのような変化が会に生じたか、が見物でであった。 この日の番組は以下の通り。 肝つぶし やなぎ 仲入り お歌の時間 やなぎ ...
落語会レポート 大阪の地で小さな落語ファン誕生の瞬間を見てきた 20170318
立川談四楼さんが大阪で独演会を開かれる、しかも企画をされたのが「オールナイトで談四楼」常連のAさんで、これが席亭デビューになる、という情報を聞いてぜひ伺いたいものだと思っていた。ちょうど別件で仕事も入り、無事に大阪入りを果たせたのである。 会場となったのは天王寺区にある銭屋ホール。先日、本年度の文部科学大臣賞芸術選奨の受賞者が発表されたが、対象...
電撃座通信 三遊亭歌橘「SANYUTEI KAKITSU SHOW!! 三遊亭歌橘の独演会っぽいもの」20170220
三遊亭圓歌一門の真打・歌橘さんがこの日電撃座初出演を果たされた。 企画の目玉としてゲストに俳優の白井光浩さんを投入、トークの他になんと、落語デビューもされるのだという。白井さんといえば映画「ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎哀歌」における藤本輝夫、通称「城東のテル」のイメージが強烈であった。実は歌橘さんは大のビー・バップ・ファンであるという...
電撃座通信 三遊亭遊かり「ゆっくり遊かり #2」20170217
BIRIBIRI寄席からマイクロシアター電撃座への改称は、「東京かわら版」で告知された。その発売日に掲載号を持って店を訪ねてきたのが三遊亭遊かりさんだったのである。勉強会を開きたいと言って直接来てくださった第一号ということになる。女性落語家で初めて自分の会を開かれた落語家でもある。そうした形で会場と一緒に歩んでいこうと言ってくださる演者の存在は、実に心強い...
電撃座通信 三遊亭小笑「小姓じゃなくて大将だ」20170213
昨年末に発売開始された『成金本』で三遊亭小笑さんは特異な体験について書いている。〈成金〉とは落語芸術協会の二ツ目十一人によるユニットであり、毎週金曜日にテイトミュージック西新宿店で行われる落語会を中心として活動を続けてきた。昨年末には銀座博品館劇場で一日三回興行を開催し、そのどれもを満席にして勢いを見せつけたのである。 小笑さんは鹿児島出身である。小...
電撃座通信 立川談慶「談慶の意見だ ♯14」20170210
今回で十四回目を迎えた「談慶の意見だ」は落語立川流真打の立川談慶さんが、落語三席の他に絵手紙漫談とゲストを招いてのトークでお客をもてなす多面的な落語会だ。今回のゲストは松岡慎太郎さん、落語立川流家元である故・立川談志長男である。お互いに旧知の仲である二人がどのようなトークを披露するかが、今回の焦点となった。松岡氏をお目当てとする新規のお客さんも多かっ...
電撃座通信 立川寸志「寸志滑稽噺百席其ノ一」20170203
立川寸志さんは私の元同業者である。厳密に書けば寸志さんは編集者で、私はライター、同じ業界で飯を食っていたことになる。若いころから落語が好きだった寸志さんは、仕事で落語立川流の立川談四楼さんを担当したことがきっかけでその情熱が再燃してしまい、ついに職を捨てて入門を決意するに至った。現在の落語界では異例の、四十代での入門である。元の職以外にも、年齢が近か...
電撃座通信 三遊亭好の助「自己満足落語会」20170201
会の正式名称は「三遊亭好の助の自己満足落語会 お客様を無視して自分が満足する」である。電撃座としては初の五代目円楽一門会二ツ目の落語会だ。三遊亭好の助さんは、街場の若い衆の匂いがして同じ世代の落語家とは少し違った雰囲気をまとっている。それがおもしろくて落語会のお願いをしたら、承諾のお返事の後で意表をつくような写真が送られてきた。おもしろがってチラシに...
電撃座通信 瀧川鯉昇「鯉昇のご利益」20170227
八代目春風亭小柳枝に入門を果たし前座名として柳若を貰うも、師匠が奇矯な性格であったために数々の辛酸を舐める。入門当時、小柳枝は妻と離婚し、借家人として住まわせてもらっている状態だった。その金をしばしば滞納したために家から追い出される。前座の柳若は、二十代にして師匠と共に野宿することがあった。「スポーツ新聞は写真を大きく印刷しているからインクが多く、体...
電撃座通信 立川志ら鈴・志ら門・だん子「立川さんちの喫茶☆ゼンザ #18」20170124
落語立川流の前座さんが二ツ目昇進のために開いている勉強会「立川さんちの喫茶☆ゼンザ」は毎月第四週に開かれている。一人二席、一席はネタおろしでもう一隻はその月ごとにお客さんからテーマをいただく。一月は「おめでたい噺」だった。また、立川流では二ツ目昇進の条件となっている歌舞音曲の成果を披露するコーナーもある。 十八回目となるこのときは、レギュラーメンバー...