杉江 松恋 一覧

館淳一さんだけが知っている 2016/10/24「愛欲と妄想の20世紀巷談」

 官能作家の大ベテラン、館淳一さんにはさまざまな顔がある。ベティ・ペイジ研究などはご自身の職業にも関連があるが、中にはまったく無関係のものもある。そのうちの一つが雑学王の顔で、たとえばSessueは館さんがずっと関心を持っている問題だ。 映画ファンの方ならご存じだと思うが、これは日本人俳優早川雪洲から来た言葉である。身長172cmの雪洲は大男大女揃いの...

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小説の問題 「グーグーだってペコペコである」津村記久子と森見登美彦と小林信彦

小説の問題 「グーグーだってペコペコである」津村記久子と森見登美彦と小林信彦

「問題小説」連載の原稿を発掘する「小説の問題」、今回は2008年10月号だ。  雑誌の切り抜きをぱらぱらめくってこのタイトルを発見したときは、思わず笑ってしまった。なんだこれ。元ネタは有名な漫画のあれだろう。フィクションを三冊紹介するときに、統一テーマとかではなく部分に注目してみようと思いついた回、のはずである。  この三冊をとりあげた、という時...

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密林さんといっしょ(その2)

密林さんといっしょ(その2)

先週末から今週中盤にかけては、来たる「博麗神社秋季例大祭」合わせの同人誌制作で現実世界から脱落しておりました。みなさん、いかがお過ごしでしたでしょうか。 そんな中、この「密林さんといっしょ」のための読書もちびちびとやっていたのである。普段は関心を持たない本をネット書店の検索機能を使って手に取り、読書の幅を広げようというこの企画、詳細は第一回の原稿を参照...

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小説の問題 「いい時間は努力しないと続かない」山本幸久と歌野晶午

小説の問題 「いい時間は努力しないと続かない」山本幸久と歌野晶午

「小説の問題」、今回は「問題小説」2007年6月号から。山本幸久と歌野晶午を取り上げている。このときは2冊の時代。  複数冊を取り上げてそのつながりを匂わせながら紹介していく書評なのだが、時折、パッと見ただけではその理由がわからないものがあった。今回もそうで、いや、その1つはちゃんとタイトルでも書いてあるのだが、実は別の理由があったのだった。それは読者...

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杉江の読書 『窓辺の老人 キャンピオン氏の事件簿1』(猪俣美江子訳/創元推理文庫)

杉江の読書 『窓辺の老人 キャンピオン氏の事件簿1』(猪俣美江子訳/創元推理文庫)

 マージェリー・アリンガムの創造した名探偵譚をまとめた作品集〈キャンピオン氏の事件簿〉、第一弾は2014年に刊行された『窓辺の老人』である。本書に初期短篇、第二弾の『幻の屋敷』に中後期といった具合に、ほぼ発表年順に作品は配置されている。巻頭の「ボーダーライン事件」は、江戸川乱歩が『世界短篇傑作集3』に採ったことでも知られる傑作で、改めて読むとその鮮やかさに惚...

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杉江の読書 『幻の屋敷 キャンピオン氏の事件簿2』(猪俣美江子訳/創元推理文庫)

杉江の読書 『幻の屋敷 キャンピオン氏の事件簿2』(猪俣美江子訳/創元推理文庫)

 アルバート・キャンピオンは38歳にもなって従順な学童のようにかしこまっていた。齢80近いシャーロット大伯母から押しつけられた調査が進展せず、怠けず動け、と叱責されたのである。彼女が屋敷を2週間留守にした後で帰宅してみると、何者かが侵入した痕跡があったのだという。すべてを気のせいとして片づけたいキャンピオンであったが、見逃せない証拠があった。絶対にこの家のも...

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電撃座通信「若いおじさんの会 中年の星争奪戦#4」春風亭柳若×柳家さん光

電撃座通信「若いおじさんの会 中年の星争奪戦#4」春風亭柳若×柳家さん光

入門10年未満(若い)入門時年齢33歳以上、現在40代(おじさん)の二ツ目が芸を競い合う「若いおじさんの会 中年の星争奪戦」、10月5日に第4回が開催された(詳細は第1回のレポートをどうぞ)。出演は落語芸術協会より春風亭柳若さん、落語協会より柳家さん光さんである。柳若さんは1戦1勝、さん光さんは2戦2勝で、互いに負けなしの顔合わせだ。 ...

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BIRIBIRI寄席通信 「若いおじさんの会 中年の星争奪戦」PV完成!

BIRIBIRI寄席通信 「若いおじさんの会 中年の星争奪戦」PV完成!

「若いおじさんの会 中年の星争奪戦」のPVができました。 これまでの闘いの推移が5分弱でわかるようになっています。 下記のサムネイルをクリックしてご覧ください。 現在の星取表は、 1位 柳家さん光(権太楼門下)2勝0敗 2位 春風亭柳若(鯉昇門下)1勝0敗 3位 三遊亭鯛好(好楽門下)0勝2敗 同 立...

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杉江の読書 岡本和明『小せんとおとき』(角川書店)

杉江の読書 岡本和明『小せんとおとき』(角川書店)

「あたしゃねえ、はなしを卸す問屋だよ。三銭でおろしてあげるから、お前さんたちは、そいつを五銭で売るように勉強するんだよ。モトは取れるから……」(古今亭志ん生『びんぼう自慢』)  初代柳家小せんは1883(明治16)年生まれ。父もやはり落語家で、四代目七昇亭花山文から二代目三遊亭萬橘を襲名した。小せんは二ツ目時代に第一次落語研究会に登用されるなど早くから...

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小説の問題「風に舞った花びらが水面をうがつように」中島たい子と益田ミリと佐藤正午

小説の問題「風に舞った花びらが水面をうがつように」中島たい子と益田ミリと佐藤正午

「問題小説」(徳間書店)連載のBOOKSTAGEページから旧稿を発掘する「小説の問題」、今回は2008年3月号だ。  連載でマンガを扱うことは珍しかったのだが、この回では益田ミリの『結婚しなくていいですか。』を扱っている。4コマを連ねることによって長篇の話になるという作品で、人物の感情描写に関心を持って、この技巧を文章で説明できないか、と考えたのが出発...

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