杉江 松恋
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街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2020年1月・静岡「ブックスランド馬場町店」「あべの古書店」「安川書店」「太田書店七間町店」
某月某日 (承前) 昨日も書いた平成の商人宿で目覚めた。豊橋の朝である。青春18きっぷ小旅行の五日目で、夜までには東京に帰らなければならない。さて、どこに寄り道しながら帰るかだ。 チェックアウトは十時なのだが、夜明け前に目が覚めたら荷物を持たずに外に出て、東海道を先の御油くらいまで歩いてこようか、という案もあった。だが、この...
街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2020年1月・運動公園前「第一ブックセンター」、遠州病院前「古本と珈琲八月の鯨」
某月某日 (承前) 二川駅から東海道の吉田宿本陣がある豊橋駅前まで歩く、というのが青春18きっぷ小旅行四日目の目的であった。途中だらだらと北西へ向かう国道一号線沿いに歩いていて、気づいたことがあった。 次の信号を右折して真っ直ぐ行くと、第一ブックセンターへの近道じゃないか。 そうなのである。豊橋市内には後二軒古本屋があ...
街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2020年1月・二川「ヤマザワヤ書店」+東海道歩き
某月某日 浪曲&古本の大阪行で復路は新幹線を使ったのであと二日分の青春18きっぷが余ってしまった。となれば行く先は一つしかない。 豊橋である。 なぜ豊橋なのかといえば、まだ記事にはしていないが、二度目の東海道歩きで吉田宿(豊橋)の一つ手前である二川宿まで来ているからだ。東海道は吉田宿まではほぼJR東海道本線に沿っているが、そ...
街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2020年1月・緑地公園「blackbird books」「天牛書店江坂本店」、梅田「阪急古書のまち」+浪曲親友協会
某月某日 大阪滞在の二日目である。 前日から滞在している船場のホテルを出て、御堂筋線に乗る。そのまま北上して、北大阪急行電鉄の緑地公園駅へ。午前中、ここにどうしても寄っておきたかった。十一時開店の天牛書店江坂本店である。三十年前、そのころ勤めていた会社の研修で三ヶ月ほど大阪にいたが、これ幸いと休日は古本屋巡りばかりしていた。当時最もお世話...
街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2020年1月・天神橋筋「栞書房」「矢野書房」「駄楽屋書房」
某月某日 大阪のなんばで次の行く先を考えていたのだが、鶴橋の古本屋がお休みということがわかり、天神橋筋を攻める方針に切り替えた。まずはなんばから北上して、もしかして開いているかもしれないお店を探していこう。 まずは南海なんば駅付近に戻る。天地書房道具屋筋店の前まで来るが、閉まっている。さらに上って宮本書店、イサオ書店も見て...
杉江松恋の「新鋭作家さん、いらっしゃい」 木村椅子『ウミガメみたいに飛んでみな』
「杉江松恋の新鋭作家さんいらっしゃい!」番外編。デビュー作、あるいは既刊があっても1冊か2冊まで。そういう新鋭作家をこれからしばらく応援していきたい 若者は頑ななものだ。 実はじいさんばあさん、おじさんおばさんよりも頑固である。生き方を変えれば、という提案には特に。自分の道からはみ出すことを拒む。 これは考えてみれば当然のことで、まだ歩いた...
街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2020年1月・なんば「兎月屋書店」・「山羊ブックス」
某月某日 話が前後したが、青春18きっぷを使った小旅行の三日目である。大阪の阿倍野区民ホールで、浪曲親友協会の新春大会が開かれる。これに行くことにした。所用のため、帰りは新幹線を使わざるをえないのだが、片道だけでも青春18きっぷで行くのだ。調べてみると、だいたい9時間で着くことがわかった。浪曲大会は午後1時に始まるので、当日移動では間に合わない...
街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2020年1月・渋谷「BAG ONE」「古書サンエー」、代々木上原「ロスパペロテス」、代々木公園「リズム・アンド・ブックス」、中目黒「杉野書店」
某月某日 冬の青春18きっぷ小旅行のことを書き終えてないのだけど、ちょっと別の話をする。 その日は前日の深酒がきいて真面目に働いている方には申し訳ない時間に起床してしまったのだけど、割と勤勉な一日を過ごすことができた。商業誌向けに原稿を一本、新しい企画書を一本書いて送信、すでに提出済で動いている企画のためにやり取りもした。その合間...
現代ミステリー小説を問う! 1/18(土)第1弾ゲストは葉真中顕さん
作家志望の方もそうではない方も、ミステリーが好きな方もそれほどではない方も。 とにかくみんな集まれ。 西武百貨店池袋店内にあるカルチャースクール・池袋コミュニティカレッジでは、「現代ミステリーを問う!」と題して三ヶ月連続で日本推理作家協会賞受賞作家をお招きし、杉江が聞き役を務めて創作の秘密について伺います。 スケジュールおよ...
杉江松恋の「新鋭作家さん、いらっしゃい」 佐野晶『GAP ゴーストアンドポリス』
「杉江松恋の新鋭作家さんいらっしゃい!」番外編。デビュー作、あるいは既刊があっても1冊か2冊まで。そういう新鋭作家をこれからしばらく応援していきたい 引き込みが強い作品だと感じた。 読者の気持ちが引っ掛かる鉤が序盤にいくつか準備されている。それに興味を持ってページを繰りだすと、気持ちを掴まえられてぐいぐいと連れていかれる。娯楽小説としては、たいへ...