杉江 松恋
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街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年7月・県立大学「港文堂書店」
7月某日 午後から吉本興業社長の会見があると聞いていたが、それは待たずに外出する。これまでの経緯から考えて、保身と嘘しかない内容だろう。 この日は青春18きっぷを使わずに私鉄で移動する。ちょっと前に情報を聞いて気になっていた、横須賀中央の古本屋に行くつもりなのである。しかし、横須賀中央に行くのであれば必然的にあそこにも行かねばなら...
街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年7月・片浜「書肆ハニカム堂」
7月某日 青春18きっぷの季節が始まった。前回は主に静岡県の東海道線沿いを周ったのだけど、この夏はどこに行こうか。どこまで行けるだろうか。 とりあえず朝一番で駅に駆けつける予定だったのだが、宮迫博之氏と田村亮氏の謝罪会見をネットで観始めてしまい、出発が2時間半ほど遅れる。あれは通しで観てしまう。 昔、BSフジが開局したばかりのころ、...
7/15「ミステリちゃん」公開収録のおしらせ
君も大好き。 僕も大好き。 ミステリちゃん。 「ミステリちゃん」は、国内ミステリーのレビュー番組です。書評家・若林踏氏と杉江松恋が、毎月読んだ本の中からお気に入りの3冊をそれぞれ挙げて紹介しますよ。 今回も公開収録を予定しておりますので、7月15日(月)16時~、東京都内にてもし観覧希望の方がいらっしゃったらご連絡ください。こ...
幻冬舎『ヒッキーヒッキーシェイク』文庫化中止問題について
記憶は風化するものだから書きとめておきたい。 株式会社幻冬舎が津原泰水『ヒッキーヒッキーシェイク』の文庫化にあたり、話がほぼ決まり、装幀や解説者依頼など造本の詳細まで決まっていた段階で出版の中止を作者に申し渡したという件である。その理由は、津原氏が幻冬舎刊の百田尚樹『日本国紀』に対してツイッター上でたびたび攻撃を行い、営業の士気を低下させたためであると...
これが2019年度上半期に読むべき翻訳ミステリーだ(下北沢B&Bイベント総括)
2019年の折り返しになる6月30日(日)、下北沢の書店B&Bにて年度の上半期を振り返るイベントの翻訳ミステリー編を行いました。登壇者はYouTube番組「翻訳メ~ン」の翻訳マン1号こと川出正樹氏と同じく2号・杉江松恋、ゲストに文藝春秋翻訳出版部長の永嶋俊一郎氏をお招きしての鼎談形式となりました。 まずは3者事前の採点に基づき、下位の作品から順...
これが2019年度上半期に読むべき国内ミステリーだ(下北沢B&Bイベント総括)
2019年6月29日(土)、いつもお世話になっている下北沢の書店B&Bさんで、「2019年度上期ミステリー総括(国内編)」のトークイベントが開催されました。鼎談に参加したのはYouTube番組「ミステリちゃん」に出演している若林踏氏と杉江松恋、そして年末bookaholic認定ベスト10選考者である千街晶之氏です。 イベントではあらかじめ3名が...
寸志滑稽噺百席其ノ十五のおしらせ
落語立川流の二ツ目・立川寸志さんが滑稽噺だけで百席を積み上げていく寸志滑稽噺百席、第七回からは会場を代えて新宿天神町17にこざいます香音里(こおり)にて開催しております(地下鉄神楽坂駅より徒歩3)。滑稽派の大看板を目指して日々奮闘する寸志さんは2017年度渋谷らくごの「楽しみな二つ目」賞受賞者でもあります。夜8時からの遅い開催ですので、仕事帰りにぜひ...
街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年6月・神楽坂サイクルと御茶ノ水ソラシティ古本市
ひさしぶりに用ができて新潮社にお邪魔した。この前にきたのは四月の「寸志滑稽噺百席」のときだから、もう一ヶ月以上経っている。ご存じない方のために書いておくと、これは落語立川流の二ツ目、立川寸志さんが開いている落語会で、一人で滑稽噺を百席積み上げ、それが終わることには真打になっていようという野望の下に企画されたのだ。会の手配その他を私がお手伝いしていて、現在は...
小説の問題vol.61 「ふたりの作家のグルーヴ感」 横山秀夫『第三の時効』 ・北方謙三『林蔵の貌』
私のようにのらくら生きている人間でも、日々の暮らしの中で疑問を感じることはある。以下は最近気になったこと。 一つは、先日刊行されたハワード・ヘイクラフト編の『ミステリの美学』(成甲書房)について。この本はミステリー評論としては古典の域に入る一冊で、読めば大いに知的な刺激を受けることができる。大昔に抄訳本が出たことがある本で、残念ながら今...