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杉江松恋不善閑居 京山幸枝若十一月独演会
某月某日 定席初日が終わって、そのまま木馬亭の前で待つ。大阪から京山幸枝若がやってくるのだ。七月以来の幸枝若なので、楽しみで仕方ない。待つ間、定席の出番を終えた浪曲師・曲師のみなさんが次々に向かいの君塚食堂に入って行かれるのを見送る。真山隼人さんはなぜかTシャツ一枚だ。寒くないのだろうか。 ほどなく開場時間になり、定席のときと同じ...
杉江松恋不善閑居 浅草木馬亭十一月公演初日
某月某日 十月はもろもろあって更新できずにいるうちにまた木馬亭定期公演が始まってしまった。十一月の初日は天中軒雲月がトリ。一も二もなく浅草に駆けつける。 伊東の恋の物語 天中軒すみれ・沢村さくら 甚五郎旅日記京都の巻 富士綾那・水乃金魚 俵星玄蕃 真山隼人・沢村さくら 蝶々夫人 澤順子・伊丹秀敏 仲...
杉江松恋不善閑居 浅草木馬亭十月公演総括
某月某日 浅草木馬亭十月公演を振り返る。 しろうとの判断ではあるが、それぞれの位置での今回のベストはどの一席だったかを考えてみたいと思う。あくまで浪曲しろうとの好みということで。 ■ベスト前読み。 今回の前読みは奈みほ「鹿島の棒祭り」、稜「出世定九郎」、三可子「馬子唄しぐれ」、千春「唐人お吉」、すみれ「山内一豊...
杉江松恋不善閑居 浅草木馬亭十月公演七日目
某月某日 浅草木馬亭十月公演千秋楽。一回は通しで興行を全部聴くということを浪曲についてやらなければいけないと思っていた。そうしないと見えてこないことがあるはずで、今回の七日間は、自分にとって非常に勉強になった。こういう意図で今日は番組が組まれているのかな、などと推測する楽しみもあったし。 双葉山 東家三可子・東家美 ...
杉江松恋不善閑居 浅草木馬亭十月公演六日目
某月某日 木馬亭定期公演も残すところあと二日。今月はなんとか皆勤できそうだと気負って行ったらなんと口開けの客になってしまった。いつもよりも出足が遅い。木戸に見知らぬ女性がいたが、あれは21世紀劇団の方か、それとも新しい入門者か。 みみず医者 東家志のぶ・馬越ノリ子 命の振袖 港家小そめ・玉川祐子 吉良の仁吉 国...
杉江松恋不善閑居 浅草木馬亭十月公演五日目
某月某日 前日にあった嫌なことの記憶を振り払いつつ木馬亭へ。十月公演五日目の本日は、体調不良でしばらくお休みをされていた天中軒雲月さん復帰の日なのである。また、コロナ禍でしばらく来京できなかった天光軒満月さんも戻ってこられる。ここで来なければ漢が廃ると思ったお客さんが木馬亭へ続々と詰めかけてくる。 山内一豊の妻 天中軒すみ...
杉江松恋不善閑居 浅草木馬亭十月公演四日目
某月某日 木馬亭の前にちょっと寄り道を、と思って南千住の大島書房を訪ねたが、開いてなかった。日曜日お休みだったっけ。11時開店じゃなかったっけ。しかし古本屋の開閉店時刻は流動するものなのである。健在であることを確認したかったが後日を期して諦める。その代わりに浅草で地球堂書店に立ち寄った。相変わらずしっかりした値付けだが、文学や古典芸能関...
杉江松恋不善閑居 浅草木馬亭十月公演三日目・元町中華街「カフェ関帝廟」
某月某日 木馬亭の十月公演は三日目。土曜日で人出が多いことは予想されたが、今日も今日とて浅草へ。案の定、かなりの大入りであった。 馬子唄しぐれ 東家三可子・伊丹英幸 宮本武蔵 一乗寺下り松の決闘 天中軒景友・沢村美舟 幡随院長兵衛 桜川と黒鷲 東家孝太郎・伊丹秀敏 甚五郎旅日記 小田原の猫餅 玉川奈々福・...
杉江松恋不善閑居 第三十三回玉川太福独演会
しばらく時間を潰した後に浅草に帰ってくる。実は夜も公演があるのだ。木馬亭を出るときにばったりお会いした沢村豊子さんに「あんた、太ちゃんの公演は聴いていかないの」と声をかけられたが、もちろん聴きますとも。時間が空き過ぎちゃうので散歩していただけです。月例の玉川太福独演会だ。ソーゾーシーが全国公演の途中ということで、本日はゲストに仲間の立川吉笑さん。前講...
杉江松恋不善閑居 浅草木馬亭十月公演二日目・とうきょうスカイツリー「業平駅前書店」の面影
某月某日 本日の目玉は玉川こう福、奈々福、ぶん福と玉川福太郎家の三姉妹が勢ぞろいすることである。とりあえずは浅草木馬亭へ。出遅れてしまったので最初の三門稜さんは途中から。場内に入った瞬間に三味線は沢村美舟さんだろうと思った。音がそんな感じだ。しかし、美舟さん、最近は掛け声が変わったなあ、年季の入った声になったなあ、とぼんやり考えながら聴...