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芸人本書く列伝classic vol.4 立川志らく『談志のことば』『談志・志らくの架空対談』『DNA対談 談志の基準』
すごいぞ、立川志らくの狂気がどんどん進行しているぞ! 会ったこともない人をつかまえて失礼千万なことを言っているわけだが、でもすごいのである、志らく。ちょっと目が離せないことになっている。 立川志らくが落語立川流家元・立川談志に入門したのは1985年のことである。当時は日本大学芸術学部に在籍し、落語研究会で活動してい...
芸人本書く列伝classic vol.3 吉川潮『談志歳時記 名月のような落語家がいた』
かつて『泣き虫』という本があった。 プロレスラー・高田延彦が自身の半生を振り返り、ライター・二宮清純がまとめたものである。当時はまだミスター高橋『流血の魔術 最強の演技』(2001年)に端を発するプロレス暴露本ブームのさなかであったから、2003年にこの本が刊行されたときにもそうしたものの一冊として受け止められた。だが刊行から10年経った今にな...
芸人本書く列伝classic vol.2 ビートきよし『相方 ビートたけしとの幸福』
私が好きな喜劇人の評伝にポール・ジンマーマン『マルクス兄弟のおかしな世界』(中原弓彦・永井淳訳/晶文社)という本がある。 マルクス兄弟は1930年代から40年代にかけて活動した喜劇映画俳優で、長男チコは無学なイタリア人、次男ハーポは一切言葉を発しない不思議な男、三男グルーチョはでたらめな言動で相手を煙に巻くイカサマ師という役割を演じ、好評を博し...
芸人本書く列伝classic vol.01 谷川貞治『平謝り』
「水道橋博士のメルマ旬報」に寄稿し始めて、もう6年になる。「メルマ旬報」はその名のとおり、ルポルタージュ芸人の水道橋博士が編集長を務めるメールマガジンで、定期刊行されているものではおそらく国内最多の執筆陣、最大の規模を誇る。なにしろ、あまりに多すぎて一号では配信しきれず、「め」「る」「ま」の三組に分かれて月三回配信になっているほどだ(それで本当に旬報になった...
チミの犠牲はムダにしない! その18『借金2000万円返済記』快楽亭ブラック
このへんから現在の「芸人本書く列伝」(『水道橋博士のメルマ旬報』連載)につながってくる。文中で「師匠」と書いているが、芸人に対する尊称をどうするか、このころはまだ決めかねていた。現在は芸界の人間ではないので、と割り切って実際にお会いした際なども一切「師匠」とは呼ばないようにしている。現在の自分から見るととても違和感がある文章なのだが、過去のものであるので、...
チミの犠牲はムダにしない! その17『元気です!!!』
この原稿を書いた時点では、春一番氏があんなに早く亡くなってしまうとは夢にも思わなかった。どうぞ安らかにお眠りください。 =============================== 杉江松恋のチミの犠牲はムダにしない! 第17回「元気です!!!」春一番(幻冬舎) 私の中で春一番が「ひょろひょろの肉体のくせにアントニオ猪...
チミの犠牲はムダにしない! その17『男子のための人生のルール』玉袋筋太郎
『男子のための』とあるが、いつまでも親子が対話を絶やさずにいるにはどうしたらいいか、ということについて書かれた本だ。すべての人に読んでもらいたい。 =============================== 杉江松恋のチミの犠牲はムダにしない! 第17回「男子のための人生のルール」玉袋筋太郎(理論社) 前三回の更新では...
チミの犠牲はムダにしない その16『試みの地平線』北方謙三
この連載で初めてミステリー作家の著書を扱った回。ちなみにこのあと、ホットドッグプレスの北方謙三特集号をいただいたので、機会があれば研究成果を別途発表したい。 =============================== 杉江松恋のチミの犠牲はムダにしない! 第16回「試みの地平線」北方謙三(講談社) 北方謙三といえば髭に...
チミの犠牲はムダにしない その15『赤塚不二夫のことを書いたのだ!!』武居俊樹
2回連続で赤塚先生のことを書いている。 ゲッツさんのところに寄稿した中でいちばん好きな文章がこれだった。赤塚先生について書こうとすると、いつも背筋がピッと伸びるような気持ちになる。 =============================== 杉江松恋のチミの犠牲はムダにしない! 第15回「赤塚不二夫のことを書いたのだ!!」武居...
チミの犠牲はムダにしない! その14『これでいいのだ。』赤塚不二夫
杉江松恋のチミの犠牲はムダにしない! 第14回「これでいいのだ。」赤塚不二夫(メディアファクトリー) 『これでいいのだ。』は、タイトルですぐおわかりのとおり、あの不世出のギャグ漫画家・赤塚不二夫の著書である。赤塚先生が北野武、立川談志、タモリ、松本人志といった偉大な芸人、アラーキーこと荒木経惟、小説家・柳美里、そしてなぜかカリフォルニア生...