杉江松恋不善閑居 浅草木馬亭十一月公演三日目「玉川太福浅草演芸大賞新人賞受賞記念」
某月某日 浅草木馬亭十一月公演三日目。本日は先般浅草演芸大賞新人賞に玉川太福さんが決定したことを受けて、その記念公演なのである。同賞を浪曲師を受けるのは、故・国本武春以来の快挙だ。太福さんが木馬亭の定期公演でトリをとるのは初めてであり、ファンが大挙して訪れるだろうということで、入場に際しては整理券が配られることになった。八月公演に神田伯...
杉江松恋不善閑居 浅草木馬亭十一月公演二日目+上野広小路亭古本まつり
某月某日 浅草木馬亭十一月公演の二日目である。今日も天中軒雲月トリの日なので必然的に行かなければならない。月曜日だし初日よりも客足は悪いはずなので空いていて聴きやすいだろう。 稗搗物語 東家千春・水乃金魚 江戸の初雪 東家綾那・水乃金魚 闇に散る小判(野口甫堂作) 東家孝太郎・伊丹明 貝賀弥左衛門 鳳舞衣...
杉江松恋不善閑居 京山幸枝若十一月独演会
某月某日 定席初日が終わって、そのまま木馬亭の前で待つ。大阪から京山幸枝若がやってくるのだ。七月以来の幸枝若なので、楽しみで仕方ない。待つ間、定席の出番を終えた浪曲師・曲師のみなさんが次々に向かいの君塚食堂に入って行かれるのを見送る。真山隼人さんはなぜかTシャツ一枚だ。寒くないのだろうか。 ほどなく開場時間になり、定席のときと同じ...
杉江松恋不善閑居 浅草木馬亭十一月公演初日
某月某日 十月はもろもろあって更新できずにいるうちにまた木馬亭定期公演が始まってしまった。十一月の初日は天中軒雲月がトリ。一も二もなく浅草に駆けつける。 伊東の恋の物語 天中軒すみれ・沢村さくら 甚五郎旅日記京都の巻 富士綾那・水乃金魚 俵星玄蕃 真山隼人・沢村さくら 蝶々夫人 澤順子・伊丹秀敏 仲...
杉江松恋不善閑居 第七回博麗神社秋季例大祭新刊『博麗霊夢、お帰りなさい』
コロナ禍で春の例大祭が中止になったため、一年も間が空いてしまった。杉江松恋の個人サークル〈腋巫女愛〉は、博麗神社秋季例大祭に出展して〈博麗霊夢の日々〉シリーズの13作目になる最新刊、『博麗霊夢、お帰りなさい』を頒布開始します。ブースは西1号館さ02ab(会場を入って右に進み、さらに右に曲がって奥から2番目の列)、頒布価格は500円です。今回も表紙は〈...
杉江松恋不善閑居 浅草木馬亭十月公演総括
某月某日 浅草木馬亭十月公演を振り返る。 しろうとの判断ではあるが、それぞれの位置での今回のベストはどの一席だったかを考えてみたいと思う。あくまで浪曲しろうとの好みということで。 ■ベスト前読み。 今回の前読みは奈みほ「鹿島の棒祭り」、稜「出世定九郎」、三可子「馬子唄しぐれ」、千春「唐人お吉」、すみれ「山内一豊...
杉江松恋不善閑居 浅草木馬亭十月公演七日目
某月某日 浅草木馬亭十月公演千秋楽。一回は通しで興行を全部聴くということを浪曲についてやらなければいけないと思っていた。そうしないと見えてこないことがあるはずで、今回の七日間は、自分にとって非常に勉強になった。こういう意図で今日は番組が組まれているのかな、などと推測する楽しみもあったし。 双葉山 東家三可子・東家美 ...
杉江松恋不善閑居 浅草木馬亭十月公演六日目
某月某日 木馬亭定期公演も残すところあと二日。今月はなんとか皆勤できそうだと気負って行ったらなんと口開けの客になってしまった。いつもよりも出足が遅い。木戸に見知らぬ女性がいたが、あれは21世紀劇団の方か、それとも新しい入門者か。 みみず医者 東家志のぶ・馬越ノリ子 命の振袖 港家小そめ・玉川祐子 吉良の仁吉 国...
杉江松恋不善閑居 浅草木馬亭十月公演五日目
某月某日 前日にあった嫌なことの記憶を振り払いつつ木馬亭へ。十月公演五日目の本日は、体調不良でしばらくお休みをされていた天中軒雲月さん復帰の日なのである。また、コロナ禍でしばらく来京できなかった天光軒満月さんも戻ってこられる。ここで来なければ漢が廃ると思ったお客さんが木馬亭へ続々と詰めかけてくる。 山内一豊の妻 天中軒すみ...
杉江松恋不善閑居 浅草木馬亭十月公演四日目
某月某日 木馬亭の前にちょっと寄り道を、と思って南千住の大島書房を訪ねたが、開いてなかった。日曜日お休みだったっけ。11時開店じゃなかったっけ。しかし古本屋の開閉店時刻は流動するものなのである。健在であることを確認したかったが後日を期して諦める。その代わりに浅草で地球堂書店に立ち寄った。相変わらずしっかりした値付けだが、文学や古典芸能関...