街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年3月・静岡行その7・南伊東「岩本書店」

(承前) 二日続けてふしぎな古本屋はてなやに行ったわけなのだが、その前にどこに行ったかといえば、南伊東の岩本書店なのだった。伊豆半島は古本屋不毛の地だと勝手に思い込んでいた。たいへん申し訳ないです。岩本書店は地元で長く営業していて、伊豆及び静岡の郷土史関係に強いという。 朝一で自宅を出てまたもや横浜駅に。ここから熱海行に乗る動きは、もはや...

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小説の問題VOL.20 風野真知雄『鹿鳴館盗撮』

小説の問題VOL.20 風野真知雄『鹿鳴館盗撮』

『峠の群像』以来久々の忠臣蔵テーマとなった、今年(注:1999年)のNHK大河ドラマ『元禄繚乱』だが、今一つ盛り上がりに欠ける気がする。来年のテーマが何かは知らないが、個人的に好きな時代は幕末である。中でも司馬遼太郎原作の『花神』などは、中村梅之助の大村益次郎が大好きで、TVドラマ嫌いにしては珍しく毎回観ていた記憶がある。だが、大河ドラマには、幕末テ...

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街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年3月静岡行その6・狐ヶ崎「ふしぎな古本屋はてなや」再び

街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年3月静岡行その6・狐ヶ崎「ふしぎな古本屋はてなや」再び

(承前) 明けて3月14日。本日も日帰りで静岡行きである。 昨日の記事の終わりに「これにて静岡行、ひとまずは終了である」と書いたが全力で撤回する。 というよりも、再び静岡に行かなければならない理由ができたのである。 一昨日の記事で狐ヶ崎のふしぎな古本屋はてなやを訪れたことを書いた。その際、手持ちが不如意であったため、置いて帰っ...

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小説の問題vol.19 井上尚登『T.R.Y.』

小説の問題vol.19 井上尚登『T.R.Y.』

今、書店には何だかとんでもなくおもしろそうな本が平台に山積みになっている。『T.R.Y.』、今年の横溝正史賞受賞作である。なにしろ帯の煽り文句がいい。主人公は「革命という熱病にうなされる怪男児」だ。 この言葉を見ただけでも、正直、おおっと思った。しかも、 「横溝賞史上、最高傑作!」 との折り紙つき(編集者の情熱を感じる)。こ...

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街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年3月静岡行・その5 沼津「平松書店」

街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年3月静岡行・その5 沼津「平松書店」

(承前) 根気がない。集中力が足りない。細かいことにこだわらない。 そんな性格だと自分では思っているのだが、こと趣味に関しては事情が異なる。 手に入らない本はなんとかして読みたくなるし、行けないと言われている場所には行きたくなるものである。 昨年からずっと宿題として残っていたのが、沼津の平松書店であった。 これまで二回挑...

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小説の問題vol.18 宮嶋茂樹『空爆されたらサヨウナラ』

小説の問題vol.18 宮嶋茂樹『空爆されたらサヨウナラ』

もうかれこれ三十年以上も私は東京都の住民なのだが、最近になって変わったことがある。都の公報紙「都政だより」にやたらと都知事の顔写真が載るようになったのだ。前任者の青島幸男のころまではそういう慣習はなかったので、これは石原慎太郎の意識的なパフォーマンスなのだろう。私はそれを見るたびに、(失礼ながら)都知事選で敗北した明石康氏のことを思い出してしまうので...

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街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年3月静岡行・その4 狐ヶ崎「ふしぎな古本屋はてなや」

街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年3月静岡行・その4 狐ヶ崎「ふしぎな古本屋はてなや」

(承前) さて、静岡行の二日目である。 静岡駅前にもまだ行けていないところはあるのだが、それよりも優先度が高いのは、機会を作らないと絶対に足を延ばさないような、ぽつんと一軒ある店である。そういうところが逡巡しているうちに閉店してしまった、という経験を今まで何度してきたことか。静岡市内で言えば清水区のエンゼル書店がそうで、東海道歩き...

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小説の問題vol.17 白石一郎『航海者』

小説の問題vol.17 白石一郎『航海者』

「一九九九年第七の月」は無事に終わったのだろうか。原稿を書いている時点では「恐怖の大王」どころか、空から降ってくるのは雨ばかりだが。大王を待ってぼんやりしている間に、読書界には大傑作が彗星のごとく降臨してきた。白石一郎の『航海者』である。 われわれの知る日本史像は、ここ十年あまりで大きく様変わりした。特に中世民衆史の風景を変貌させるに多大な貢献...

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街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年3月静岡行その3・静岡「あべの古書店」ほか

街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年3月静岡行その3・静岡「あべの古書店」ほか

(承前) 一冊萬字亭から次の目的地までは結構な距離がある。駿府城の北西に浅間神社があり、そこにつながる商店街の入口にあべの古書店という古本屋があるのだ。現在、時刻は午後4時である。閉店にはまだ余裕があるが、とある理由からどうしてもあと1時間で探索を終え、午後6時までにはホテルへのチェックインを済ませておきたかった。 やむをえない、こういう...

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街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年3月静岡行・その2 静岡「水曜文庫」ほか

街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2019年3月静岡行・その2 静岡「水曜文庫」ほか

(承前) 前回静岡駅までやってきたのは2018年9月のことであった。 そのときはタイミングが悪く、訊ねる店訪ねる店がみなお休みという体たらく、特に道を挟んで近所にある、水曜文庫と栄豊堂書店古書部の二軒に揃って振られたのは、静岡という街自体に拒まれたようでなんとも縁起が悪く感じた。験かつぎではないのだが、とりあえずはそこから攻めていきたいと...

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