会の正式名称は「三遊亭好の助の自己満足落語会 お客様を無視して自分が満足する」である。電撃座としては初の五代目円楽一門会二ツ目の落語会だ。三遊亭好の助さんは、街場の若い衆の匂いがして同じ世代の落語家とは少し違った雰囲気をまとっている。それがおもしろくて落語会のお願いをしたら、承諾のお返事の後で意表をつくような写真が送られてきた。おもしろがってチラシにしたのが上の画像である。
この日の番組は以下の通り。
提灯屋 好の助
黄金餅 好の助
仲入り
湯屋番 好の助
掛川宿 好の助
高座に上がった瞬間に「この会は自己満足落語会ですから、演者が満足したらそこでおしまいになります。もしかすると一席目で終わりになるかもしれませんから。そこはみなさん納得の上ということで」という宣言があった。いきなりの展開である。果たして「提灯屋」を終えた後、高座で腕組みをして「今のでだいぶ満足してしまった」と呟く。客席がみなハラハラしているのがわかった。もう好の助さんのペースである。
後半では「何かリクエストはありますか」と客席に呼びかけて「掛川宿」と声のかかる一幕もあった。「わかりました。『湯屋番』をやりながら浚います」と好の助さん。「よく噺家は歩きながら稽古をすると言いますが、私は風呂の中でいちばん稽古をするんです」と高座の上で不思議なポーズもとった。言うまでもなく風呂に入っているときの格好だ。まさに自由闊達、他ではあまり見られない情景が頻出した。
今のところまだ予定は出ていないのだが、電撃座としては第二弾を絶対におねだりする所存である。三遊亭好の助さんをみなさんにぜひ観てもらわなければ。