電撃座通信 三遊亭遊かり「ゆっくり遊かり #2」20170217

Share

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存

 BIRIBIRI寄席からマイクロシアター電撃座への改称は、「東京かわら版」で告知された。その発売日に掲載号を持って店を訪ねてきたのが三遊亭遊かりさんだったのである。勉強会を開きたいと言って直接来てくださった第一号ということになる。女性落語家で初めて自分の会を開かれた落語家でもある。そうした形で会場と一緒に歩んでいこうと言ってくださる演者の存在は、実に心強い。昨年十二月の第一回に続く今回は、ゲストに先輩二ツ目の笑福亭竹三さんを迎えての開催であった。

この日の番組は以下の通り。

新聞記事 遊かり

元犬 遊かり

仲入り

木津の勘助 竹三

替り目 遊かり

ゲスト:笑福亭竹三

「新聞記事」は芸術協会定番の前座噺である。それで会は幕を開け次は「元犬」、信心のご利益によって白犬が人間に変化するという設定の噺だが、遊かりさんは女性演者ならではの演出に変更して語った。初演であるという。女性落語家が持ち味を出すための方策はまだまだ掘り尽くされていない。この勉強会では遊かりさんによる実験が以降も行われることになるだろう。後進の小会場だから、ぜひそうした挑戦の場として使っていただきたい。

「木津の勘助」は浪花っ子の気骨を爽快に表現した一席で、竹三さんがこの人に入門したい、と笑福亭鶴光を見染めた思い出の噺であるという。トリネタの「替り目」は夫婦の間柄を主に夫の視点でスケッチした噺だが、「元犬」とは逆にそれをオーソドックスに演じた。「元帳見られちまった」でサゲずにおしまいまで。もっとも、本来は音曲噺なので新内流しを登場させるのが完全な形なのだがそこは省略、替り目という題名の由来までで一席とした。

次回は四月七日(金)、ゲストに春風亭昇羊さんが予定されている。お楽しみに。

Share

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存