今週から落語協会の真打披露興行が始まっている。本来は三月二十一日の鈴本から駆けつけたかったのだけど、ゆえあってお預け状態である。新宿、浅草、いや、池袋ぐらいでなんとか。
それはともかく、鈴々舎馬るこさんの真打披露パーティーに招かれて伺ってきた。去る三月十一日のことである。実はこういう席に出るのは初めてで、どういう服装で行けばいいのか、祝儀というのはいくら包むものなのか、慣例がわからずに右往左往した。京王プラザホテルの披露宴だから、結婚式のそれと同じに考えておけばいいのかな、ということで対応したのである。
会場前には鈴々舎馬風一門が揃ってお出迎え。法被を着てそのへんを走り回っている人たちがよく見れば前座・二ツ目の落語家で、そういうものなのかと感心する。他の団体からも応援に駆けつけて、落語協会の法被着用で働いていた。
パーティーが始まり、一門を代表してのご挨拶は師匠のおかみさんから。前座時代に馬るこさんが失踪したエピソードを話して場をなごませる。乾杯の挨拶で壇上の人となったのは石神井公園・葵寿司の大将だ。隔月で落語会をずっと開かれていて、私も伺ったことがある。知らなかったが、入門前に馬るこさんがアルバイトをしていたことがあり、その縁で弟子入りの保証人をなさったのだとか。この世界における親代わりだ。
余興では、石川浩司さんが解散した「たま」をこの日限りで再結成して「さよなら人類」を演奏する一幕もあった。「今日まるちゃんが初めて真打になったよ」「人間国宝になる日も近づいたんだよ」の特別バージョンだ。人間国宝を目指していたのか。柳派だしね。
一門の真打がずらりと壇上に並んで紹介された後、馬るこさんが挨拶を述べられてお開きに。暖かい会でたいへん楽しゅうございました。お招きありがとうございます。真打として一回りも二回りも大きくなってください。胴回りは小さくなってください。