杉江松恋認定2016年度最優秀ミステリー長篇であるところの『坂の途中の家』、第70回日本推理作家協会賞は残念ながら逃しましたが、この作品が一推しの「ミステリー」であったという信念は依然として変わりません。もちろん受賞作となった宇佐美まこと『愚者の毒』もたいへん良い作品なのですが(ちなみに杉江が解説を書いております)。
bookaholicラジオショー「喋る本棚」はミステリー作品を中心とした話題をお届けするネット番組です。その公開収録が3月に行われ、『坂の途中の家』作者の角田光代さんに1時間余にわたって創作の秘密をおうかがいしました。先に音声をpodcastでご提供しましたが、今度は映像版です。角田さんがどんなことをお考えになりながら『坂の途中の家』をお書きになったか、なぜ事件小説を書き続けておられるのか、自作をミステリーと呼ばれることをどうお考えなのか。ここだけ、の話題がたくさん出てきます。お時間がない方は40分過ぎの、角田さんとミステリーの出会いについてお話しになっているくだりだけでもぜひお聞きください。目から鱗が落ちるような発言がたくさんあって、角田さんとミステリーがますます好きになることは請け合いです。
次回収録は5月14日(日)19時半から。いつもの通り前半は川出正樹さんと杉江松恋がその月のお薦めミステリーについて対談形式で話す「翻訳メ~ン」、そして後半は、これまた2016年の必読ミステリーであった『半席』作者、青山文平さんがゲストです。優れた時代小説であると同時に素晴らしいミステリーである『半席』、創作の裏側をどんどんうかがいますよ。ぜひご来場くださいませ。
下の画像をクリックするとyoutubeのページに飛びます。