電撃座通信 立川談修「談修アンプラグド #2」20170707

Share

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存

「ええと、実は次にやるネタを決めていなくて……」

2017年の7月7日は雨の降らない七夕だった。

この日に開催されたのが、落語立川流真打・立川談修さんの「談修アンプラグド ♯2」である。題名からおわかりの通り、電子機器の拡声機能を使わないことを重視する落語会である。落語は筋立てだけを楽しむものではなくて、噺に滲み出てくる演者の人柄が大事な要素になる。それをよく理解してくださっているお客様がこの日の電撃座には集まった。

番組は以下の通り。

一眼国

宮戸川

仲入り

人情八百屋

事情があって開演時刻に間に合わなかったので、私が聴けたのは二席目の「宮戸川」から。将棋とかるたにそれぞれ夢中になって遅くなり、締め出しを食った半七とお花が二階の部屋で一夜を共にすることになる。初めてこの噺の筋立てを知ったとき「なにそのラブコメ展開」と思ったが、この噺のクライマックスも男女の仲がどのように進展するかを描くかが鍵となるのである。談修さんの半七は将棋しか頭にない朴念仁で、お花からそれとなく水を向けられても棋譜の相談をしてしまう、というのがばかばかしくてよかった。

仲入り後に高座に上がった談修さんは「今日は二つ案があって、どちらの噺にするかまだ決めてないんですが」と言い、会場挙手でトリネタを決めるとおもむろに宣言した。「錦の袈裟」と「人情八百屋」で票は真っ二つに割れ、電撃座店長の投票により後者に決定する。「錦の袈裟」も聴いてみたかった気がするが、師匠・立川談志譲りの「人情八百屋」はそれこそ人柄が伝わってくる好演であった。怪奇譚・青春ラブコメ・親子の人情噺とバリエーションのあるネタが三つ並び、よい形で終演を迎えられたのである。

次回の「談修アンプラグド」は12月1日(金)19時~に予定している。ご予定を空けてお待ちください。

Share

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存