翻訳マン1号・川出正樹と翻訳マン2号・杉江松恋による2017年度翻訳ミステリーベスト10選考会議が12月17日に開催されました。結果は以下の通りで、フランシス・ハーディング『嘘の木』(東京創元社)を本年度のベストと認定しました。「このミス」年度ぎりぎりの10月末に刊行され、装丁や帯のどこにもミステリーの文字が謳われなかったこともあってまったくのノーチェックでしたが、実は見事なまでの謎解き小説でした。
「自分のオールタイムベストが塗り替わった。この作品を読めずにベストテンランキングに投票してしまったことを恥じる」(翻訳マン1号・川出正樹)
「あらゆる面で技巧が完璧。特に主人公が探偵をしなければならない状況設定に説得力がある。キャラクターや小道具の使い方も立体的・多面的ですばらしい」(翻訳マン2号・杉江松恋)
2位以下の作品も自信をもってお薦めできる秀作揃いです。このリストをどうぞ読書ガイドにご活用ください。
1位:『嘘の木』フランシス・ハーディング(東京創元社)
2位:『湖畔荘』ケイト・モートン(東京創元社)
3位:『東の果て、夜へ』ビル・ビバリー(ハヤカワ・ミステリ文庫)
4位:『コードネーム・ヴェリティ』エリザベス・ウェイン(創元推理文庫)
5位:『ハティの最期の舞台』ミンディ・メヒア(ハヤカワ・ミステリ文庫)
6位:『湖の男』アーナルデュル・インドリダソン(東京創元社)
7位:『紳士と猟犬』M・J・カーター(ハヤカワ・ミステリ文庫)
8位:『黒い睡蓮』ミシェル・ビュッシ(集英社文庫)
9位:『死体展覧会』ハサン・ブラーシム(白水社)
10位:『悪魔の星』ジョー・ネスボ(集英社文庫)
次点:『ゴーストマン 消滅遊戯』ロジャー・ホッブズ(文藝春秋)
別格:『穢れの町』エドワード・ケアリー(東京創元社)