うっかり2018年の夏コミ新刊を告知し忘れていました。杉江松恋の個人サークル〈腋巫女愛〉、東方project二次小説『博麗霊夢、いただきます』です。すでにとらのあな様で委託販売も始まっております。表紙画はいつものとおり〈赤色バニラ〉くまさん、そして編集は〈日々徒然。〉の古翠さんです。
楽園の素敵な巫女の活躍を描いていくシリーズの第10弾、今回のお話は半人半獣の上白沢慧音先生が中心になります。幻想郷に何かが起きつつあることに気づいた慧音は、当地の歴史そのものである稗田阿求に接触しようとします。面会を果たせずに戻る帰途、不可解な荷物を抱えてうろうろする博麗霊夢にばったりと遭遇。彼女から意外な話を聞かされるのでした。
この連作はどこから読んでいただいてもかまわない話なので、本書から手に取っていただいてももちろんかまいませんが、初登場のキャラクターが多い回なので、過去作から読んでいると、ちょっと楽しめるかもしれません。ちなみに過去作の『さようなら、博麗霊夢』に接続している箇所がありますが、どちらから先に読んでも問題ありませんので。
しかしまあ、『さようなら』を書いたときには『東方天空璋』に〈あの人〉が出てくるなんて思ってもいなかったので、慌てて本書でフォローしたという側面もあります。〈あの人〉には申し訳なかった。
秋季例大祭新刊『博麗霊夢、ごちそうさま』と続き物のようなタイトルですが、内容はそうでもありませんので、念のため。毎回タイトルは何の挨拶にするかを決めて、くまさんに表紙のお願いをしてから内容を考えているのですが、『いただきます』は最後にちゃんとつじつまが合わせられて、感慨深かった本でした。タイトルに意味を持たせられたという点では、これと『博麗霊夢はどこにいる』が双璧かも。
では秋季例大祭でお会いしましょう。