杉江松恋不善閑居 プレゼント

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クリスマスイブということでこれまで貰ったプレゼントのうち、気に入っているものを。

これは何かというと、私なのだそうである。よく見るとわかるのだが、A4のコピー用紙の裏に書かれている。本当は、手は二本ともついていたはずなのだけど、どこかに行ってしまった。粘着テープでくっつけてあったので、経年劣化で剥がれてしまったらしい。

物書きの家なので、拙宅にはたいへん多くの裏紙がある。ゲラというものの成れの果てだ。それこそ、子供の小学校時代にはPTAに寄付して印刷用に使ってもらっていたぐらいである。

子供はそれを持ちだして、絵を描いたり、工作をしたりするのに使っていた。出版社から貰ったものが遊具に化けてしまったわけだが、だからといって返すわけにもいかないものだからお見逃しいただきたい。

これは誕生日プレゼントということで作ってくれたものだ。写真では見えにくいかもしれない。顔の真ん中の赤い丸はたぶん口だと思う。そこに「おめでとう」、胴体に「たんじょ日」と書いてある。なるほど、親をこういう風に見ていたのか。

せっかくもらったものだが、コピー紙をテープで貼り合わせただけのものなので、ほとんど分解しかけていた。先日、部屋の掃除をしたついでに修理したのである。胴体にはトイレットペーパーの芯を入れて補強し、糊とステップラーで可能な限り原型に戻した。そのうち、もう一本の手も同じくコピー紙をぺらぺらに切り取ってくっつけると思う。

改めて見るとたしかによく似ている。顎のあたりに無精ひげが描いてあるのも芸が細かい。

違うのは、紙の人形はぺらぺらだが、実物はもっとぶくぶくしているところだ。コピー紙だけに、質感は真似できなかったのである。

■最近の杉江松恋はこんな本を書いております。

■過去の「杉江松恋不善閑居」はこちら。

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