4月16日
本のアンケート、今週は書店に関するものをまとめて聞いている。昨日は、「書店でつけてくれるカバーをもらうかどうか」であった。
毎日アンケートに答えていただき、ありがとうございます。本日も書店の話。本を買ったときカバーをつけてもらいますか。理由などのコメントもいただけると嬉しいです。後で引用に使わせていただく場合がありますのでご了解ください。よろしくお願いします。
— 杉江松恋@秋季例大祭に向けて気持ちを切り替えました。 (@from41tohomania) April 15, 2020
回答数は急に増えて747もあった。毎日とっているからかな。
「基本的にすべてつけてもらう」22.8%
「もらうが、つけるのは自分でやる」2.3%
「複数冊の場合は遠慮することがある」20.2%
「基本的にカバーはもらわない」54.8%
ちょっと意外だったのだが、もらわない派が過半数だった。私も自分のおこづかいで本を買い始めたころはいろいろな書店のものをもらうのが楽しくて持っていたのだが、そのうちに断るようになった。回答にもあったとおり、その書店のものをもらうのが楽しみだったところもあり、御茶ノ水の茗渓堂だけは不要になってからもときどき一冊だけ頂いていた記憶がある。
カバーを貰う理由で多かったのが、持ち帰るときに保護する意味でつけるというものだった。帰りながら読む分だけもらう、という声もあったりして。これは逆に、カバーに詰め込まれるときに本の角などが痛むという人もいた。カバーの掛け方にもよると思う。あれはカバーの紙の上下を単行本や文庫などのサイズに合わせ、左右どちらかの袖を折ってから、本の背の厚みに応じてもう一方を畳むようにして掛けるわけである。私も書店アルバイトの経験者だが、お客がいないときなどによく、拍子木のような棒をつかって上下を折った紙の在庫を作っていた。
カバーをかける際、単純に本に羽織らせるようなやり方と、上下を折ってできたスリットに本を差し込むのと、一般的に二通りある。前者はずれやすいし、後者は無理矢理詰め込むと表紙の角が痛むという欠点がある。閉店した飯田橋の某専門書店にはこれが下手な人がいて、日下三蔵氏と一緒に行くと彼は必ずカバーだけを別にもらっていた。さらにカバー掛け上級者になると、折ったカバーをちょいちょいとハサミで切って、まるでお仕着せのように本に合わせてくれるのだが、そういう芸を見ると自分もカバーが欲しくなることがある。
本の収蔵に関しての声もあり、カバーをかけておくと題名がわからなくなるからつけないという人もいれば、逆にそのカバーをメモとしても使うという意見もあった。カバー掛けない派の声として意外に多かったのが、たぶん電車内の読書を想定してのことと思うが、表紙を見せたほうが宣伝効果もあるから、というものがあった。私も車内で本を読んでいる人を見ると題名が気になるので、気持ちとしてはよくわかる。
上にも書いたとおり私はカバーもらわない派で、長時間持ち歩くときにはもともとかかっているカバーを外し、むき出しで本を持ち歩く。もしくはレジ袋などに入れて鞄の中に入れておくのである。それにしても本をそれほど大事には扱わないほうで、うちにある本はだいたいよれている。よその子はもっと大事に扱ってもらっているのに、とか怒られそうだ。
気になったコメントをいくつか引用する。
mani 69さん「いつもはカバー無しですが、銀座の教文館さん、神保町の三省堂さんのはつけてもらいます。他に、旅先でしか出会えない書店でも、自分へのお土産としてつけてもらう。後でカバーを目にした時に、今はなきお店を思い出したり」
自分へのお土産、よくわかります。
神 善龍さん「むかしからつけてもらわず、もらってもすぐ外してました。特に理由は思い当たりません。いまは漫画を主に買っていますがビニル(シュリンク?)もそのままにしてもらってます。割とたくさん買うのでシュリンクかかってる=未読とわかるようにするためです」
シュリンクで未読かどうか判断するの斬新です。
流動金属さん「カバーはいただきます。 本の購入を妻に秘密にしているため 同じカバーを使い回し 「ずっと同じ本を読んでいる男」 というアリバイを作るためです」
アリバイが破られませんように。
自粛生活9日目。
昨日発表があって、営業自粛の補償金50万円だかをもらうためには、本日から5月6日まで休業しないと駄目だということになった。おそらく個人営業でがんばっていたお店も、今日あたりからばたばたと閉めてしまうはずである。街がますます寂しくなりそうだ。しかし、昨日一昨日と歩いていて、なんとなくマスクをしていない人が多いように思ったし、自粛要請から1週間が過ぎて気持ちが緩んできているのかもしれない。ウイルス蔓延を防ぐという意味では、ここらで一回ねじを締め直さなくてはならず、仕方ないのかもしれないな、などと思ったのである。
こんな日々だが一日一本は商業原稿を書くことにしている。昨日は、遅れていた新人賞下読みを一つ終わらせた。もう一口来ているのだが、そっちは応募者から来た原稿をそのまま送ってくるところなので、まだ箱を開けずにいる。コロナウイルスは紙に付着したあとも数日は生きているというので。今週末には開封する予定である。