4月22日
ここのところ毎日実施している本に関するアンケート。書店に関する最後は、「行きつけの本屋はありますか」というものだった。総投票数は307。
アンケート、書店編でもう一つ質問を忘れてましたのでお付き合いください。みなさんには「行きつけの本屋さん」と呼べるお店はありますか。ある場合はそこに通っている理由を教えてください。いただいたコメントは不可の場合を除き引用することがあります。よろしくお願いします。
— 杉江松恋@秋季例大祭に向けて気持ちを切り替えました。 (@from41tohomania) April 21, 2020
「ある。人的要因(店員の人柄がいい、同じ町内、など)」7.2%
「ある。地理的要因(そこがいちばん近い、など)」42%
「ある。サービス要因(品揃えがいい、ポイント、など)」37.1%
「ない。特に行く店は決まってない」13.7%
途中まで地理的要因とサービス要因が並んでいたのだが、最終的には地理的要因が少し上回ることになった。「そこがいちばん近い」というよりは「他に選べない」という理由に近かった方も多いのではないかと察する。書店数が減少して、そんなに選べる時代ではなくなってきているからだ。Satoshi Kojimaさんから「「ない。特に行く店は決まっていない。」です。以前は「ある。地理的要因」でありつつも品揃えも好きだった書原南阿佐ヶ谷店でしたが、なくなってしまってからは「行きつけ」がなくなってしまいました」というご回答をいただいたが、似たような体験がある方は多いと思う。野村弘明さん「以前は駅近くのビルのこじんまりとした書店が行きつけだった。ずっと親しくしていた店員がいて、新刊の取り置きや予約、雑誌の購読など、様々な対応をしてもらっていたので。その店員も今はいなくなり、現在は自宅から一番近い大型店舗に映画を観た帰りなどに寄ります」も同種の回答である。
このアンケート、一番上に人的要因を挙げたのだが、回答数は最も少なかった。そこに有能な書店員がいるから、という以外に、顔見知りなので他に行くと悪い気がする、という理由で選んでいる方はどのくらいいるかな、と思ったのだが、現在ではやはり少数派なのだろうか。生活圏内に一軒書店があるということが当たり前ではない時代なのである。
人的要因ということでいえば、お!まさよさんの「そこそこ大きな書店勤務ですが、人事異動などで棚の担当者が替わると、棚の雰囲気変わります。社内には、どのジャンルでもワタシ好みの棚作りの人とそれ程でもない人がいて、ワタシ好みでもそうでなくても全国的なベストセラーに頼らずとも売上げを作る担当者っています」というご回答には頷くことしばしであった。これは実名を挙げると差しさわりがあるので伏せるが、都内の某大書店で異同があり、海外小説の棚が見る見るうちに縮小されて気の抜けた状態になったのでがっかりしたことがある。仕事の都合でよく利用していた書店ので、それまではあそこが私にとっての行きつけの書店だったのだが、あまり足を向けなくなってしまった。書店員のお力というのは大きいのだと痛感したものである。
今の私は、この中で選ぶとしたら「行きつけの書店はない」かもしれない。以前は近所の書店をよく利用していたのだが、大手チェーンに合併されてしまい、あまり相性のよくない感じに変わってしまったのだ。それこそ売れ筋の、政治的主張の偏った本とかオカルト的思想の本とかが目立つところに山積みになっている。経営していてもらわないと困るので、なるべく買える新刊とかはそこで求めるようにしているのだが。
印象的だった回答をいくつか引用する。
古内一絵 感謝御礼「マカン・マラン」シリーズ10万部突破さん「出かけた場所で、時間があれば大抵本屋さんを探します。だから、地理的要因かもしれません。それから、本屋さんで待ち合わせをすることも多いです。本屋さんだと、待たされても嫌ではないです」
そう、かつて待ち合わせ場所といえば私は本屋であった。定番は紀伊國屋書店新宿本店のポケミス棚前。
高橋弥生さん「職場ビル内に大きな書店が入っているので、そこを主に利用しています。休憩中にも行けますし。 でも小さな書店も応援したいので、e-honでは別の個人書店を登録して急がない本はそこで買うようにしています。こちらは店主の方針に共感したので、人的要因です」
e-honのいいところはそこですよね。
手洗い・うがい・ハルミンさん「駅近、遅くまで開いている、店員さん良い方(買いすぎて「取り置きな…」と言っただけで本を渡してくれる)等です」
定食屋における「いつもの」的な。
自粛生活15日目。
昨夜は初めてzoomを介した飲み会の通知をいただいたのだが、あいにく原稿書きが終わらなくて2時間遅刻しての参加になった。ログインして15分ほどでお開きになってしまったのが、少しだけでも顏を出せたのはありがたかった。潜水艦がひさしぶりに浮上したような気持ちである。
クレジットカードの利用明細が送られてきたのを朝になって開封し、ひそかに胸算用をする。このままの状態が続いた場合、収入が途絶えることも想定に入れるべきであり、そうなったときにいつまで食いつなげるかも計算しておかなければならない。辛気臭い計算でぱちぱちとそろばんを弾く。実際には電子計算機だが、そろばんぱちぱちで溜息ふう、と書いたほうがいいような雰囲気である。頭上には裸電球が冷え冷えと。
などと書くとまことにひもじい生活のようであるが、私などはまだ恵まれているはずであり、しょぼくれている場合ではないのである。昼近くなって仕事が決まったという連絡が一つあり、お礼のメールを出す。