5月6日
本に関するアンケート。図書館に関するものはとりあえずここで一区切りのつもりである。最後は「除籍本をもらったことがありますか」。回答数は224だった。
毎日アンケートばかりで恐縮です。本日も図書館に関すること、今日も特殊な質問かも。図書館の廃棄資料って、もらったことありますか。コメントもいただけると嬉しいです。いただいたコメントは、不可の場合を除いて引用することがあります。どうぞよろしくお願いします。
— 杉江松恋@秋季例大祭に向けて気持ちを切り替えました。 (@from41tohomania) May 5, 2020
「除籍になる図書館の本を貰ったことがある」42.9%
「定期的に除籍になるときに本を貰っている」1.8%
「複数の図書館で除籍になる本を貰っている」4.9%
「図書館の除籍本を貰ったことがない」50.4%
約半数の人が除籍本をもらったことがないという結果になった。まあ、こんなものだろうか。中にはリサイクルのシステム自体をご存じない方もあった。図書館に置いてある資料は利用者が少ないと必要性が低いと見なされていつか除籍になる。それ以外に汚損で捨てられる場合もあるとは思う。私はこれを怖れて、必要がないのにたびたび借りている本がある。調べると同じ人間が借りているのでもしかするとやはり無駄と見做されてしまうかもしれないが。また、図書館に本を寄贈する人がいて、それが必要ないと判断されるとやはり廃棄処分になる。こうした本を私ももらったことがある。
除籍本のリサイクルは、定期的に放出される場合と、図書館の決まった場所に持ち帰り自由で置かれる場合の二通りがある。どんなものにもマニアはいるものだが除籍本の世界にもいて、定期的に図書館を巡回しているのである。私も強いて言えば二番目の「定期的に除籍になるときに本を貰っている」に該当するだろうか。いくつか巡回している図書館があるからだ。
泉晴紀・藤木TDCの漫画『辺境酒場ぶらり飲み』にこの話が出てくる。泉と藤木をモデルにした二人が酒場を飲み歩くと連作だが、盛り場からちょっと離れた辺鄙な場所をうろうろするところがおもしろく、第十三話「豊島区池袋三丁目にて」では豊島区立池袋図書館を訪れている。鈴木(藤木)が大角(泉)に廃棄されていた『触媒化学ノート』を薦めるのである。
大角「エ? 化学なんて興味ねえよ」
鈴木「いや、興味ない分野の本だからいいんですよ。(中略)トイレ読書に最適なの。興味ある本だと読み込んじゃってトイレが長くなるし…(中略)それにこういう意味の分からない情報は…頭に入ってすぐ出ていくから便通にも好影響な気がするんスよ」
下の話で失礼。除籍本を直接もらってことがなくとも、古本屋から買った本がそれだったという例はいくつか見受けられた。あれはどういうルートで流れていくのだろう。専門の業者とかがいるのだろうか。大学蔵書などはまとまった処分に応じてくれそうだが、一般の図書館などはどうか。
いくつかご回答をご紹介する。
みさん「1度あります。配布最終日の夕方、箱の中にすごくよい本が残っていて、えー除籍?、書架にこっそり戻したい、何故誰も持って行ってないのー、とうろうろしたあと、連れて帰りました。既に持っていた本だったのですが」
この感じよくわかる。捨てられた猫をほうっておけなくて連れて帰る気持ち。
大鎌伸子さん「もう絶版になったり、改定前の版だったりする本をありがたくいただいています。また、当市は雑誌の付録も定期的に市民に配布しており、こちらもタイミングが合えばいただけることがあります」
そうそう雑誌の付録というものがあった。あれは捨ててしまうのかと思ったが、配布する場合もあるのか。
熊猫さん「父が図書館関係者だった昔、実家の車庫の片隅に除籍本が段ボールで積まれてました。業者が引き取ってくれず、然りとて、誰かに渡すわけにもいかず、屋根付きとはいえ野晒し同然で朽ちていく本たちをなす術もなく眺めていたので、今の除籍本リサイクルは素晴らしいと思います」
そうやって朽ちていくことを考えると、私もいいシステムだと思う。誰かの手に渡ってそこで一度でも余計に読まれれば、いいことなのではないだろうか。
自粛生活29日目。
ぎっくり気味の腰が良くならず、しかも雷雲のためかwi-fiの調子が悪くて作業が捗らないというどうにもならない一日だった。仕方がないのでダメージをそれ以上増やさないようにして、早めにふて寝してしまう。こういう日もある。