約一月遅れですが、第八回博麗神社秋季例大祭で頒布開始したサークル〈腋巫女愛〉の新刊『博麗霊夢、お元気ですか？』について。博麗の巫女の、のほほんとした日常とちょっとした異変解決を描く連作〈博麗霊夢の日々〉の第十五作目です。新型コロナ・ウイルス流行後は『お帰りなさい、博麗霊夢』に続く二作目で、春の静岡例大祭に本当は出すつもりだったのですが、間に合わず、冒頭の四章だけをコピー誌で頒布するという痛恨の失敗をしてしまいました。このときに静岡ツインメッセでコピー誌を買ってくださったみなさんには本当に感謝しています。ご恩は一生忘れません。
さて、『博麗霊夢、お元気ですか』はちょっと説明に困る内容です。冒頭、曇天の博麗神社。博麗霊夢ほか、霧雨魔理沙、アリス・マーガトロイド（コピー誌の段階ではいませんでした。後から、やっぱりレイアリだよな、と思って追加）、そして今回の視点人物である魂魄妖夢が集合している場面から物語は始まります。これから異変解決のために彼女たちは出発するのです。さらに二人が加わって、という風に話は進んでいきます。
ここまでがコピー誌版と同じ内容なのですが、第五章以降が秋季例大祭用に新しく書き下ろした部分です。視点人物は前述の通り魂魄妖夢で、西行寺幽々子に命じられて博麗神社を訪れた彼女が奇妙な事態に巻き込まれていきます。ここからは日常パートなので、東方らしい関節の外れたような会話を楽しんでいただければと思います。
とにかく読んでください、としか言いようのない構成で、のほほんとした日常とちょっとした異変があります、弾幕バトルも、とお約束はしておきます。この話全体で何をやりたかったのかは奥付前の107ページに、ある作品からの引用が記してあるので、それでお分かりになるかと思います。なので、未読の方はそこを最初に見ないようにお願いします。まあ、そういうことをやってみたかったんです。東方Projectの世界観とキャラクターで。そうしたらとても難しくて、春は原稿が間に合わなかったということでした。
これまで書いてきた中では、『博麗霊夢、はじめまして』がいちばん変な構成の話だったのですが、それと同じくらい面倒なことをやっています。書き終わったときは変な話ですが、二次創作のレベルが上がってＨＰとＭＰが増えたような気がしました。表紙画はいつものとおり〈赤色バニラ〉くまさん、編集は〈日々徒然。〉古翠さんです。
委託はいつものとおりとらのあな様、そして本書からメロンブックス様でも取り扱いを始めていただきました。
とらのあな様→https://ecs.toranoana.jp/tora/ec/item/040030938145/
メロンブックス様→https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=1126246
