翻訳ミステリーマストリード補遺(19/100) フレドリック・ブラウン『まっ白な嘘』

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翻訳ミステリー大賞シンジケートの人気企画「必読!ミステリー塾」が最終コーナーを回ったのを記念して、勧進元である杉江松恋の「ひとこと」をこちらにも再掲する。興味を持っていただけたら、ぜひ「必読!ミステリー塾」の畠山志津佳・加藤篁両氏の読解もお試しあれ。

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フレドリック・ブラウンの『アンブローズ蒐集家』刊行には私もたいへんびっくりいたしました。この調子で、東京創元社で唯一文庫化されていない『Bガール』も創元推理文庫に入るといいな。

思い返せば、1970年代から80年代にかけて、創元推理文庫やハヤカワ・ミステリ文庫が出していた作家別短篇集は、ミステリー、SFを問わず、「おもしろいお話をしてくれる人」の扉の役目を果たしてくれていたと思います。『夜明けの睡魔』で瀬戸川猛資が3Bと称した「(フレドリック)ブラウン・(レイ)ブラッドベリ・(ロバート)ブロック」の3人からジャンル小説のおもしろさを知った読者は多かったはずです。私の場合は特にフレドリック・ブラウンがお気に入りでした。短篇では「びっくり」や「どっきり」の感覚を味わわい、長篇では「しんみり」や「ひりひり」を教えてもらいました(ブラウンは『現金を捜せ』などの、ノワール感溢れる犯罪小説の書き手でもあるのです)。願わくば『まっ白な嘘』から、同じような読書体験をされる方が増えますことを。

『まっ白な嘘』を畠山・加藤両氏はこう読んだ。

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