某月某日
今抱えている仕事。レギュラー原稿×2。イレギュラー原稿×1(調整待ち)、ProjectTY書き下ろし。下読み×1。
やらなければならないこと。主催する会の準備×1。
書き下ろしが原稿用紙10枚分くらい進む。まだまだ先は長いが、資料をたくさん引用しなければならないところを抜けたのでちょっとだけほっとする。分量だけなら現在進捗率31.67%というところか。もう少々お待ちを。半日で切り上げるつもりが、乗ってきたのでそのまま書き、結局夕方まで。
夕刻から神保町・香音里へ。立川寸志さんの「寸志滑稽噺百席其の三十一」である。滑稽噺で百席積み上げる壮大な試みも今回で91席目。つまり、カウントダウンが始まったことになる。感慨深い。本日の噺は主催者権限で事前に聴いている。「節分」「鷺取り」「蜀山人」である。
ネタおろしの「節分」から始まる。大晦日に借金取りを言いくるめて帰す、「掛取万歳」などの掛取ものを、節分に変えた噺である。節分限定ということもあって、かなり聴ける機会も少ない。私は八代目の春風亭柳枝の音源でしか聴いたことがない。途中で端唄尽くしの地口が入るところがあって、ここがたぶん面倒臭いはず。大爆笑するような噺ではないが、なんとなくおめでたい感じがする。
「鷺取り」は上方由来の噺で、桂枝雀が死ぬほどおもしろかった記憶がある。上方だから本来は喜いやんなのを江戸っ子に直しているのだが、寸志さんの唄い調子によく合う気がする。上方ではたしか天王寺が舞台だと思ったが、浅草寺に直されている。この日の爆笑ネタはこれ。
「蜀山人」は太田南畝を描いた地噺っぽいネタだ。これまた大笑いさせるような噺ではないのだが、人物スケッチっぽくてしみじみしている。寄席でかけにくいだろうから珍しいネタの部類に入るだろう。今日は珍ネタ尽くし、ついでに全部酒がらみだ。しかし考えてみると、蜀山人は狂歌で節分は端唄、歌のネタが多くてしんどかったのでは。これに「和歌三神」も足すと寸志歌尽くしになる。それは地味な会になるなあ。お客さんを選ぶけどやってみてもいいかもしれない。
2月の日本建築一階はしんしんと冷える。三席目の途中で寒かったが膝掛けを貰い損ねてこまったお客さんもいたらしい。仲入りでお声掛けしたらよかった。すみません。次回気を付けます。
次回は4月21日(木)20時より。この回だけ第四木曜日ではないのでお気をつけください。コロナ対策に気を付けて神楽坂・香音里でお待ち申し上げます。