杉江松恋不善閑居 新潟・今時書店

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某月某日

今抱えている仕事。レギュラー原稿×3。イレギュラー原稿×4(エッセイ、書評、文庫解説×2)、ProjectTY書き下ろし。

やらなければならないこと。主催する会の準備×1。

仕事読書に時間を取られ、長いものを書く余裕がなくなった。やむをえず午後から気合を入れて、レギュラー原稿を三本片付ける。やればできるのだ。長いのは書けなかったけど。それは明日、と自分に言い聞かせながら、停電の惧れがあるということで早じまい。

先日新潟に行ったときのことをぼちぼち書いておこうかと思う。新潟駅西口を出てまっすぐ行くと、やがて万代シティバスセンターへの道が見えてくる。ここの万代そばはカレーライスで有名で、ルーだけでも買いに来る人がいたり、レトルト商品化をしたり、と地元では強い人気がある。どういうものか、と思って覗いてみると、昼時だったこともあってすでに長蛇の列ができていた。おとなしく並んで普通盛りを食べてみる。普通とはいうものの、量が多い。ココイチのカレーはご飯300グラムが標準で私はいつも小盛りにしてもらうのだが、あれくらいはあるのではないだろうか。とんこつスープで煮込んでいるというカレーは黄色くて、まさしく昭和の風貌であった。

そのバスセンターから万代橋で信濃川を渡る。前に信濃川を歩いて渡ったのは、いつだったか。皆川博子『死の泉』をハードカバーで読みながら上越線でやってきた記憶があるので、1997年か。四半世紀も前のことである。橋を渡ったその道から二つ信号を過ぎて、次の角を右に曲がったところにあるのが今時書店である。

開業したのはごく最近で、東京でも増え始めた、棚貸しをするタイプの古本屋である。無人で運営されていて、事前に登録して個別の番号をもらわないといけない。それをテンキーに打ち込んで入室する。入口すぐのところにテーブルがあって、ここは均一棚の扱いか。三方に棚があり、右側に無人レジがある。交通系ICカードなどキャシュレスでも精算できる仕組みだ。じっくり見て回ると、左側に地元のZINEを集めた棚があった。そこで『新潟名物! ぽっぽ焼き読本』(そだたべBOOKS)を買う。下越地方で食べられているお菓子について調べた本で、売り方から蒸気パンとも言うそうだ。お勘定をするときに値段の書かれたスリップを箱に入れることになっているようなのだが、うっかりして持って帰ってしまった。すみません。3月19日の昼頃に買っていったのは私です。

今時書店を出て、次のお店へ。

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