某月某日
今抱えている仕事。レギュラー原稿×7。イレギュラー原稿×3(エッセイ、書評、解説)。
ProjectMTの準備。
やらなければならないこと。主催する会の準備×1。
けっこう頑張って2本。文庫解説と新聞書評をそれぞれ1本ずつで力尽きた。〆切が迫っているものを追加し忘れていたが、この数が正しい。午前中は読まなければならない本があったので、発作的にそれを抱えて出かけ、立川でフロム中武のフロム古書市、吉祥寺でPARCOのTOKYO BOOK PARKを覗いて中央線の車中で課題本を読み終えた。これでいいのだ。本日は夕方まで仕事をして、夜はガチンコ浪曲講座。
松本の続き。枯淡苑を出て、松本城の外周に沿って東に歩き、そこから南下して城東へ。住宅街の真っ只中にbooks電線の鳥がある。前もって情報があったのでさほど驚かなかったが、本当に民家だ。玄関には町内会のものらしい札が下がっている。入ると細長い玄関のたたきが長く奥へ続き、両側の板壁に本棚がしつらえてある。なかなか趣味のいい品ぞろえだな、と見ていると店主らしい男性が出てきて、奥にもありますからどうぞ、と言われた。靴を脱いで上がる。左に入ると居間だったのであろう部屋で、四囲に本棚が並んでいた。建具や戸棚の合間合間にも棚があるので、個人の住居空間感がとても強い。文学や随筆、評論、芸術、芸能系の人文書が中心である。玉川奈々福さんの著書が鴨居の棚にあったので、手に取ってちょっと見る。岩波文庫『浮世絵類考』は持ってない本だったので、それを買って外に出た。趣味のいい古本屋だった。コーヒーを飲んでくつろぐこともできるので、次に来たときにはぜひ。
そこから南下していくと、上土通りに出る。旧い映画館などもあって風情のある通りだ。そこから西にちょっと入ったところにあるのがブックカフェ想雲堂である。入るとまず目に入るのは洋酒棚を背にしたカウンターで、お客さんがスツールに座ってコーヒーを飲んでいる。夜は十時まで開いていてバー営業になるのだ。書棚は左右両側にあり、右側手前にも裏表ある棚が合計八面置かれている。入ってすぐ左が郷土関係の棚。奥へ行くと学術書が揃っている。右側は芸術・芸能系と文学書を中心とした棚で、ハヤカワ・ミステリが一本の棚を丸々占めている。独立した棚は文庫が主で、壁側がミステリーなどの小説、カウンターを向いている側が随筆や教養系である。ここでカラーブックスの鈴木一夫『水戸黄門紀行』を発見。これは購入した。時間があればもうちょっと見ていたいところなのだが、何しろ午後六時までに行かねばならないところが他にもある。急いで外に出た。後で気が付いたのだが、このすぐ近くが牛乳パンで有名な小松パン店だった。寄っておけばよかった、と後悔したが後の祭りである。
さて。(つづく)
明日、26日に稲田和浩さんとトークイベントがあります。
6月10日には玉川奈々福さんとトークイベントがあります。
国内ミステリーのレビュー番組「ミステリちゃん」5月号・その1を公開しました。