某月某日
今抱えている仕事。レギュラー原稿×5。イレギュラー原稿×1(エッセイ)。
やらなければならないこと。主催する会の準備×1。
夕刻まで仕事をしてから外出。結局書き終えられた原稿はなかったが一応さぼってはいない。高田馬場のばばん場で19時から「玉川奈々福の目からウロコの浪曲講座」最終回なのだが、その前に編集者と打ち合わせがあった。
編集者の用件はちょっと人を多く集めてミステリー系の本を作りたいという話だったので、ちょっと案を考えて持っていった。なんとなくそれはいいのではないかという話になり、社内で詰めてもらうようお願いする。通るかどうかはわからない。それはそれとして、「人を多く集めて」という部分が問題なのである。私が三十代だったときには自分が若手だったということもあって人海戦術で本を一冊作ることは難しくなかった。しかし、今はどうだろうか。ミステリー系のライターって、若い人は誰がいるのだろうか。そう考えたらずいぶんこのジャンルも高齢化が進んでしまったものだということに気づき、頭がそこから離れなくなってしまった。人が来たがるようなジャンルになっていないというのは問題なのだ。たとえばSFだったら、こういうときにあの人とあの人が動いて本ができるだろうな、というのが見える。ミステリーでは難しいのではないだろうか。これは何か策を講じないと駄目だろう、とあれこれ考える。
「玉川奈々福の目からウロコの浪曲講座」のほうは、最初に関東節と関西節の違いについての講義があり、そのあとは五月一朗と二代目春野百合子の節について学ぶ内容であった。五月一朗の胴声素晴らしい。春野百合子と大林静子のコンビ素晴らしい。最後に奈々福さんが「茶碗屋敷」で一席勤められておしまい。いい会でした。
散会後は都内某所にてミステリー評論家足りない問題についてあれこれ。悪だくみができたので編集者にもまとまった形で連絡をとった。さて、どうなるか。
文芸誌編集者で、若手の評論家に場を踏ませたいと思っている方がいたら、こっそりDMとかで連絡いただけませんかね。怪しい通信販売みたいだけど、秘密は守ります。
— 杉江松恋『浪曲は蘇る』in6/12東方甲州祭想8 (@from41tohomania) July 13, 2022