杉江松恋不善閑居 浅草木馬亭でゆきのすみれ

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幸乃熱唱中。

某月某日

今抱えている仕事。レギュラー原稿×7。イレギュラー原稿×2(エッセイ、解説)。

やらなければならないこと。主催する会の準備×1。

午前中でやらなければならないことを終わらせて午後から外出。浅草木馬亭で天中軒すみれ・京山幸乃「ゆきのすみれ」第七回である。それぞれ五代目天中軒雲月、二代目京山幸枝若の弟子で年季修業中の二人が組んでの若手勉強会だ。すみれは日本浪曲協会所属だが、幸乃が属している浪曲親友協会にも籍を置いている。師匠の雲月がそうしているからだ。また、幸枝若・雲月の師匠二人は、実生活では義理のきょうだいという関係でもある。雲月の夫は幸枝若の兄なのだ。

一輪の花 天中軒すみれ・沢村美舟

喧嘩坊主後編 京山幸乃・一風亭初月

歌のコーナー 京山幸乃

中山安兵衛婿入り 天中軒すみれ・沢村美舟

毎回二人で三席の決まりで、歌のコーナーが入る。「一輪の花」は広島原爆をテーマにした新作。現状では40分あるが、まだ台詞を刈り込めるように思う。展開をすこしはしょるくらいでちょうどいいのではないだろうか。「喧嘩坊主」は幸枝若の持ちネタで「祐天吉松」の一篇なのだが、関東で演じられているものと全く異なるので、ここからどうつながるのかがよくわからない。機会があったら通しで聴きたいものだ。「中山安兵衛婿入り」も師匠・雲月の十八番。啖呵が節と連動していて一つたりとも無駄な台詞がないのが特徴。これを演じるとき、演者はすこぶる緊張するのではないかと思う。終わってしばらく某所で密談。平和に帰る。

千街晶之さんと隔月でやっている雑誌掲載の短篇を対象としたレビュー番組「短いのが好き」の最新号・後編が公開されました。よかったらご覧ください。

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