杉江松恋不善閑居 「忠臣蔵尽くし」&中目黒「COWBOOKS」

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某月某日

今抱えている仕事。レギュラー原稿×6。イレギュラー原稿×2(解説、インタビュー構成)。

やらなければならないこと。主催する会の準備×1。

先週木曜日から金曜日にかけて仕事が捗らなかったのは、windowsのアップデートにはまってしまい、パソコンが思うように動かなかったためである。この日も朝から大きな更新があり、ついに終わらないままに外出してしまった。渋谷駅前の大和田伝承ホールで行われる「忠臣蔵尽くし 本伝発端編」を聴くためである。伝統芸能の魅力を伝える會の夏季特別企画で、玉川奈々福が先日木馬亭の勉強会でネタおろししたばかりの赤穂城明け渡しを描いた新作を読むのだ。

講談「あぐり本忠臣蔵」(小佐田定雄作) 神田阿久鯉

義太夫「殿中刃傷の段」竹本京之助・鶴澤弥々

義太夫「塩屋判官切腹の段」竹本越孝・鶴澤寛也

浪曲「赤穂のいちばん長い一日」玉川奈々福・沢村美舟

導入役を神田阿久鯉が講談で「見てきたように嘘を」吐かずに勤め、浄瑠璃の「仮名手本忠臣蔵」で松の廊下・切腹の段という前半の山場を二席、そして「赤穂義士伝」に戻って奈々福が、浪曲では普段演じられることのない赤穂城明け渡しを描くという構成だ。舞台は幕を引かず、目隠しなどを使って演者が入れ替わるという凝った演出、講談から義太夫への移行が流れるようで目を惹いた。浪曲ではカラーの照明を用いて日の移り変わりを表し、さすがの大舞台ならではの臨場感が味わえた。最後に大石内蔵助が童らの手毬歌が聴こえる中、万感の思いをこめて赤穂城に別れを告げ、終演。よい会であった。

会場から出たところで九龍ジョーさんと少し立ち話をする。メルマ旬報が終わってしまうことなどいろいろ。いちばん相談したかったことを忘れていた、と後で気が付いた。浪曲仲間のみなさんが近所で一杯やるということでお誘いをいただいたが、まっすぐ帰る。なにしろパソコンがアップデート中なのだ。途中で中目黒カウブックスだけ覗いた。

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