杉江松恋不善閑居 10/27寸志滑稽噺百席其の三十五で大団円。次は?

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某月某日

今抱えている仕事。レギュラー原稿×3、イレギュラー原稿×2(インタビュー構成×2)。やらなければならないこと。の・ようなものの準備×1。

少し時間が空いてしまったが、10月27日は立川寸志さんによる寸志滑稽噺百席最終回であった。其の三十五で大団円。一回三席だから本当は三十四で終わるはずだったが、寸志さんが間違えてチラシで三十五回でおしまいと告知してしまったので、その回までやったのである。最後の三回は二席ずつで、私も出てトークでしめた。この回は満席もいいところで、高座の位置を急遽後ろにずらして客席とのソーシャルディスタンスを確保したほどである。その大入りの観客に対して、最後のネタおろしは「勘定板」であった。立川流がよくかけるネタで確かに滑稽噺なのだが、びろうな噺、下ネタである。それをお祝いの会でかける心意気やよし。もう一席、百席目は「子ほめ」であった。これは寸志さんが初めて演じた落語ということで、初めと終わりがこれで繋がった。「勘定板」と「子ほめ」でもう十分なのだが、さすがにこれでは、と思ったか、余興でもう一席。余興なので演目は書かないことにする。

ちょっと話はそれる。高座で演じられたこと、落語家が喋ったことは、その場にいるお客さんへのサービスであって、外に持ち出すべきではない事柄もある。余興の演目というのはその一つだと思う。テレビ番組のトークをだらだらと文字起こししただけでニュースでござい、と記事にしているサイトが昨今は増えた。あれの弊害かもしれないが、ライブで供されたものをなんでもかんでも外に出すのには疑問がある。閉じた場には閉じた場の愉しみを残しておいたほうがいいのではないだろうか。閉じた場向きの芸人のはずが、テレビなど開かれた場に出ていって同じ姿勢で喋る芸人にも問題があって、それは炎上もするという話である。

とにかく寸志滑稽噺百席はこれにてめでたく大団円である。今後どうしましょうか、というアンケートには二百席を目指せ、という意見が最も多いのだが、ただ続けるのもね。芸がないでしょう。もちろん寸志さんの落語会はこの先もずっとお世話していきたいと思っているので、ちょっと充電期間をください。演者とよく話し合って企画を煮詰めます。

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