某月某日
今抱えている仕事。レギュラー原稿×8、イレギュラー原稿×4(インタビュー構成×3、評論×1)。やらなければならないこと。の・ようなものの準備×1。ProjectMH×1。
木馬亭定席が五月一朗を讃える特集だったので、これは何を措いても行かねばならず。トリをとるのも弟子の五月一秀さんで、特別尽くしであった。その一秀さんの来京を待ち望んでいたファンも多く、木馬亭前には花が出ていた。
予告されていた一秀さんの演目は「乃木将軍 伊勢参り」。ケレンの多い外題だが、最後は戦争で廃兵となった人への哀しみを歌い上げる。見事な出来栄えであった。最後は奈々福さんと五月一朗について語るトーク。緊張しているのか司会の三門綾さんがカミカミでおもしろかった。玉川奈々福さんはこの日、五月一朗十八番から「誉れの三百石」を読んでいる。義士外伝で構成も楽しく、気合の入りまくった素晴らしい舞台だった。その他、真山隼人さんは五月一朗の師である初代広沢駒蔵の持ちネタから「水戸黄門漫遊記 奥州相撲の巻」。浪曲の水戸黄門は笑えて楽しい。また、モタレの玉川福助さんは「阿武松緑之助」を演じたが、玉川の節正統派という感じで実によかった。最近聴いた中では福助さんのベスト。
夜席は真山隼人・沢村さくらコンビのツキイチ独演会。今回は旅ネタ特集ということで予告が出ていた。演目は以下の通り。
武林の粗忽
隼人の都落ち
大石東下り
「大石東下り」は大師匠の初代真山一郎が木馬亭で録音をしたことがあるという由来のネタで、孫弟子が同じ場所で同じ演目を掛けるというのがおもしろい。眼技が効いて、キャラクターがよく演じられていた。「隼人の都落ち」は地方公演についてのエッセイ浪曲だが、「浪曲の本を書いた杉江松恋という人が四天王寺古本まつりに来ると聞いて」というくだりがあって笑ってしまった。あの場にいた方のために書いておくと、古本まつりの目録がなぜかダブってしまい、もし届いておられなかったら一部要りませんか、いや届いております、そりゃそうですね、というやりとりを事前に隼人さんと交わしていたのであった。自分の名前を突然高座から言われてびっくりした。
終演後はまた田原町某所でKさんと少し密談。