今抱えている仕事。レギュラー原稿×5、イレギュラー原稿×1(評論×1)。やらなければならないこと。の・ようなものの準備×1。ProjectMH×1。
勤労感謝の日には東家三楽一門の三女、東家三可子さんの年明け披露興行があった。浪曲には現在、前座・真打という制度がない。その代わり、入門後四、五年で年明け披露があり、そこからは一人前の芸人として一本立ちするということになっている。すでに富士美子、富士綾那という姉弟子がいて、下には東家千春、志乃ぶが控えている。姉弟子の亭号が異なるのは、師匠が東家三楽襲名前、富士路子時代に弟子入りしたからだ。
この日は浅草木馬亭が満員であった。
鬼山姥紅羽織 富士綾那・東家千春・東家志乃ぶ・馬越ノリ子
誓いの証文 港家小柳丸・馬越ノリ子
仲入り
口上 天中軒雲月・東家三楽・東家三可子・港家小柳丸(進行)
安兵衛婿入り 天中軒雲月・伊丹明
仲入り
白餅大名 東家三楽・伊丹秀敏
木村の梅 東家三可子・伊丹秀敏
「木村の梅」は大久保彦左衛門が三代家光に意見をする金襖物である。外題付けから声がほとばしり、気合の程が窺える。もともと三可子さんは声っ節に期待する人が多く、将来が楽しみという声を多く聴いていた。それを裏切らない、見事な披露の舞台であったと思う。啖呵やケレンではなく、節で勝負すべき芸風で勝負すべき芸人である。この先も曲がらずに、正攻法で芸を大きくしていってもらえれば将来は安泰なのではないか。そういうことを思った舞台であった。
この日の他の舞台では、雲月・明コンビがよかった。普段の木馬亭ではあまり聴くことのない組み合わせなのだが、水調子の明さんの三味線が奏でる雲月バラシもいいものだと思った。明さんはもっと評価されるべきだと思う。