杉江松恋不善閑居 演芸会ウィーク終わる。最後は三門柳熱演(デッドラインまであと51日)

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某月某日(デッドラインまであと51日)

来週までの〆切:レギュラー隔週×2、レギュラー週刊×3、イレギュラー×2、文庫解説×1。

来週の予定:日本推理作家協会理事会×1、某委員会ネット打ち合わせ×1、池袋コミュニティカレッジ×1

動画収録予定:今月はあと3本。

書き下ろし:ProjectMT、ProjectTK、ProjectTS。

昨日は18時から木馬亭で三門柳独演会「三門柳、恩師・三門博を語る、唸る!」の会だった。前に別の公演が入っていたので、16時に会場入り。ばたばたと準備を進めるうち、あっという間に開演時間に。

鳥追恋慕笠 三門綾・広沢美舟

三門博を語る(トーク) 三門柳(聞き手・杉江松恋)

仲入り

三門博一代記 田辺凌鶴(講談協会)

唄入り観音経 三門柳・広沢美舟

実は、この会はトークコーナーが主であった。『浪曲は甦る』の取材で三門柳さんにお会いしたとき、次から次に師の思い出話が出てくるので、これは一人で聴くのはもったいないと思った。そこで「そのお話を多くのお客さんに聞いていただきませんか」ともちかけたのが始まりである。最初はもっと小さい会場での開催を考えていて、一旦は別の場所を押さえたのだが、予定が合わずに流れてしまった。どうしようかと思っていたところ、9月23日なら木馬亭の夜が空いている、という情報が入り、えいやで押さえたのであった。こうして人生初の木馬亭公演主催が決まった。

何度かお会いして打ち合わせを重ねているうちに、話すべきテーマが多すぎて、何時間あってもトークは終わらないということがわかった。そこで、ゲストに講談師をお招きして「三門博一代記」の形で読んでいただいてはどうか、と思いついた。田辺凌鶴さんなら、うまくこなしてくださるのではないかと考えご依頼したところ快諾いただいたのである。「三門博一代記」は私が原型になる台本をご提供し、読みやすいよう凌鶴さんに手を入れていただいたものである。途中にちょっとしたくすぐりを入れたのもそのままやっていただけて良かった。自分でたたき台を提供しておきながら、次はどうなるのか、と引き込まれるように聴いてしまった。これはすべて凌鶴さんの芸の力がなせる業だ。ぜひまた、どこか別の会場で講談として読んでいただければと思う。

「唄入り観音経」を演じていただくのは必須であった。そのために「三門博一代記」も「唄入り観音経」のできるまでという展開になっている。柳さんが、広沢美舟さんが三門節を弾いてくださるならやりましょう、とおっしゃって無事に演目が決定した。ひさしぶりに聴く生の「唄入り観音経」はやはり素晴らしいものだった。これは浪曲界の財産である。ぜひご一門で受け継いでいってもらいたい。

終演後は柳さんをお見送りして、有志でちょっとした打ち上げ。思えば17日から演芸会主催が6本(うち1本は演者との共催)、自ら舞台に上がったのが3本としろうととしてはおこがましさで身のすくむような体験をした。無事に終わることができたのはすべて、助けてくださったみなさまと演者の諸師、そしてご来場いただいたお客様のおかげである。改めて御礼を申し上げたい。

というわけで書き下ろしと日常業務が並行する普通の生活に戻る。昨日はとうとう1字も書けずに進捗率30%のまま変わらず。今日からがんばるよ。

三門柳・綾師弟(木馬亭木戸前にて)

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