杉江松恋不善閑居 原稿持ち込みの営業と中村橋・古書クマゴロウ

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某月某日

前日に終わらなかった文庫解説原稿を仕上げてしまう。この原稿料で6月末までに稼がなければならない目標額までの進捗率は95.62%まで上がった。もう少しだ。

15時に外出し、都内の某出版社へ。ある人の原稿持ち込みである。結構余裕を見たつもりだったのだが、資料準備があってぎりぎりになってしまった。普段行かないフロアに上がり、お付き合いのない編集部とお話をする。新鮮である。なんとか原稿は受け取ってもらえた。うまく出版にこぎつけられるといいのだけど。

前にも書いたと思うが、こういう持ち込みには仲介料のようなものは一切いただいていない。それはエージェントのやる仕事だからである。出したい原稿があれば、出せそうなところにつなぐ。もちろん自分にもメリットがあるように行動しているので、お気遣いは無用である。この日の場合は、話をつないでくれたのが顔見知りの編集者で、その人にひさしぶりに挨拶をすることができたので嬉しかった。そういうちょっとしたいい事があれば、それでいいのである。

19時から池袋コミュニティカレッジで講座のお仕事なので、それまで仕事読書でもしていようかと思ったが、西武池袋線で中村橋まで行き、ひさしぶりの古書クマゴロウを訪問した。棚の構成は以前に来たときとあまり変わっていなかったが、ポケミス棚の前に本が積まれて山になっているのが気になった。動きがないのだろうか。宗教の棚から小野迪夫『祭事・年中行事に役立つ祝詞入門』(日本文芸社)、民俗学の棚から前場幸治『削り華咲く頃 昭和大工の隠語用語録』(風土社)を買う。前者は学術書ではないが、さまざまな祝詞の全文が口語訳と語句解説つきで載っていて便利である。後者は大工たちの符丁や日常用語を列挙して彼らの生活を浮かび上がらせる内容で、この本が入っているチルチンびと建築叢書はなかなか面白そうだ。

中村橋は駅の向こう側にもう一軒、ドラゴンブックというお店があったはずなのだが、見つけられなかった。なくなってしまったかもしれない。

池袋コミュニティカレッジにていろいろ話し、帰宅。本日の勤務評定は原稿を送って0.5、他人の持ち込みをして2.0で合計2.5というところ。

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