杉江松恋不善閑居 吐いた唾は飲めんぞ、とはよく言ったもの

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某月某日

新月度の始まりであり、7月は7月で稼がなければならない目標金額があるためそれなりの仕事計画を立てなければならない。気持ちを入れ替えて頑張ろうと机に向かっていたが、正午になって困ったことが判明した。冷蔵庫が寿命を迎えたようなのである。

元家電メーカー社員としては購入してから15年というのは天命と判断するしかない。これは改善の見込みがない。

幸い、駄目になったのは冷凍庫だけで冷蔵部分はまだ生きているようなので、すぐに買い替えれば入れてある食料は無傷で残せる。予定をすべて変更して、繁華街へ向かった。量販店で購入と搬送の手続きをしてすぐ帰宅する。だが、緊張の糸が切れてしまったのかどうにも身が入らず、前にやった仕事のおまけを片付けるぐらいしかできなかった。仕方ない。そういう日もある。

そういえばちょっと肝を冷やしたことがある。しばらく前からつきあいのある人が実は筆名で文筆活動をしているのではないか、という可能性に気づいたのだ。本人に確認すればいいのだが、もう何年ものつきあいなので今さらという気もする。その筆名の人は、毀誉褒貶があって、SNSなどで槍玉に挙げられていたこともあった。

肝を冷やしたのは、尻馬に乗って揶揄の片棒を担いだことが自分にあったらどうしよう、と思ったのである。急いで記憶を掘り返してみたが、そういう事実はない、と思う。そうであってもらいたい。だってその人には非常にお世話になったのだ。好意を受けておきながら裏で陰口を叩くというのは人間として最低の行いだろう。知らないといってもそれは駄目である。

すべからく陰口は慎むべしというのはこういうことだ。SNSなどでもそうだが、面と向かって言えないようなことは口にすべきではない。口に出すなら表立って堂々と言うべきことなのである。

メールをチェックしていたら複数の取材依頼が届いていた。これも仕事のうちなので、勤務評定は2.0。7月は単行本の作業が始まる月なので、あまり無駄なことをしないで淡々と仕事をしようと思う。毎月そう思う。

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