木馬亭にも行けず、一日お仕事。数日後にマライ・メントラインさんと芥川・直木賞の予想対談があるのでその準備と、〆切がきた新人賞下読みの選評書きである。これを送ったらもう夜になっていた。原稿を一つ送ったので勤務評定は0.5。下読みの選考料が加算されて7月末までに稼がなければならない金額への進捗率は一気に53.33%まで上がった。やはり大きい。
今回の某新人賞、私の箱は豊作で二次に残していいものの絞り込みにかなり迷った。できれば倍の枠をもらいたいところだけど、そうもいくまい。これがおもしろいところで、まったく駄目な年もあれば今年のように豊作で贅沢な悩みを抱えることもある。これでも以前よりは本当によくなった。以前は編集者に、全部駄目だったのでゼロにしていいか、と真面目に相談したこともあった賞なのである。さすがにゼロは、と言われ、そうだろうな、と納得して無理やり絞り出した。
新人賞下読みについては、上位何割を上げろ、と言われるパターンと何作まで、と決められるのと二通りある。前者の場合も1、2作は目分量で増やせるので、なるべく目一杯上げることにしている。裁量権があることで、なるべく神様みたいな役割はしたくないのである。自分の目が曇っているから読めなかった、という場合もある。二次選考に責任を押し付けるわけではないが、後の判断は任せた、という気持ちで上げてしまう。それが一次選考の分というものだと思う。
といいつつ、実は来月にはアガサ・クリスティー賞の最終選考が待っているのである。最終に加わるのは初めてなので、私でもいささか緊張する。それで誰かの人生を決めてしまうことになるのだものなあ。