杉江松恋不善閑居 いまだ緊急事態の中におりますが私は元気です

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某月某日

おもしろいことは何もなく、ただただ仕事の一日。前日に書いた原稿は2本で1セットだったので、午前中のうちに終わらせてしまう。さらに、紙の雑誌でインタビューの著者確認が必要があるため、そちらを仕上げる。終わってからレギュラー原稿をもう一本。これは夜になってしまい時間切れとなった。深夜にたまたま目が覚めたので、早暁に終わらせてしまう。3本書いて勤務評価は1.5である。実は仕事絡みで嬉しい話が入ってきていたのだが、流れたとの連絡があった。無理もないと思う。最初話を聞いたとき、ずいぶん冒険をするな、と思ったくらいなのだから。最初からなかったものと思えば腹も立たない。残念ではあるが。

そんなわけで3本仕事をしたものの、まだまだ山積みで先は長い。ひさしぶりに、前途が見えない状況になって呆然としている。

こういう風に大変な事態になってしまった場合、一歩ずつ前に進んでいくことが大事だと思う。私がよく進捗率管理を口にするのは、とどまらずに前に進んでいるという実感を得るためで、あれを書かないとくだらない負の思いに囚われてしまいそうになるから、燃料としてやっているのである。最近は止まっているが、以前は徒歩で東海道を進むような旅行によく出かけていた。あれは時に十キロ近くも何もない道を歩かなければならなくなる。黙って進んでいると気が滅入る。そういうときは200歩進んだら足を止めて休んでもいいとか、1000歩でお茶を飲もうとか、小さな目標を決めて歩くのである。ぶつぶつ言っているから傍から見れば危ない人のようかもしれないが大目に見てもらいたい。

よく、がんばった自分のためのご褒美を買う、という話がある。特に物欲はないので何も欲しくない。一つだけ欲しいのは、自分がやっていることをなんでも進捗管理してくれるメーターである。私が何かするとちょっと目盛りが進む。1万円稼いだら進む。

目標数値に達したら、チンと音を立てて知らせてくれればいい。それだけでいい。褒美とか何もいらない。目盛りがまたゼロに戻って、次の目標に向けて動き始める。

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