杉江松恋不善閑居 芥川・直木賞と寸志トリ噺五十席、学芸大学・流浪堂

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某月某日

午前2時半に目が覚めたので、そのまま起きて仕事をする。午前7時半、半蔵門にあるFM東京へ。ユージさんがパーソナリティを務めるOne Morningに芥川賞予想で読んでいただいたのだ。これで3回目になるのかな。web本の雑誌と同じ予想で本命をお話しした。

途中で散髪をして戻り、11時まで仕事。また家を出て都内某所にある新聞社にて対談のお仕事である。連続ものの第1回になる予定で、初対面の方とあれこれ話した。有名人だが気さくなお人柄で話しやすい。1時間のつもりが気が付けばかなり過ぎてしまっていた。お見送りをして、戻る。

家に帰る前に寄り道をする。この日の正午から学芸大学の流浪堂が営業を再開しているからである。元の店があった場所を通り過ぎた高架下にある。知っているぞ。その前にあるローソンは、以前はブックマートだったはずだ。流浪堂はジャンルできっちり分けず、キーワードや本のつながりなどで迷彩を描くような棚作りが人気だった店で、2年前に建物取り壊しのために一時閉店したときは、多くの古本屋ファンが嘆き悲しんだ。もう再開はないかと思っていた矢先の吉報だけに、心から嬉しい。店には多くのお客さんが詰めかけていた。以前の縦長と違い、道路に面した側に長い幅広の構造、帳場は入ってすぐの右側にある。長い棚が2本横に配置され、左奥にアートなど大型本のある棚、正面奥にはへこみがあってやはりぐるっと棚が配されている。そうだ、ここはエログロ文化にも強い古本屋なのだった。二階堂卓也『洋ピン映画史』(彩流社)、秋田文化出版社民俗選書の天野武『野兎狩り』を購入。

帰宅してぎりぎりまで原稿を書く。なんとか2本が仕上がったのは奇跡的である。勤務評定は1.0、この原稿料により7月末までに稼がなければならない額への進捗率は90.41%となった。実際には対談やラジオ出演の報酬もあるのでもう少しお金は入る予定だが、計算が面倒臭いので考えないことにする。自分は書く仕事が主だからこれでいいのだ。

ダッシュで出かけてアートスペース兜座へ。立川寸志さんの寸志トリ噺50席の第6回である。私は芥川・直木賞対応があってへろへろだし、昼席から立川龍志さんにネタを上げてもらってきたという寸志さんはふらふら。おまけに足が攣りそうだという。水分不足だからすぐ飲んで、と促す。めろめろの五十男二人でお客さんを受け付け、なんとか会が始まる。

化けもの使い

中入り

井戸の茶碗

化けもの使いはネタおろしで、昼間龍志さんにアゲてもらったのはこの噺だったという。長講二席、おつかれさまでした。終演後、寸志さんと少々おつかれさま会をして帰る。長い一日だった。

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