杉江松恋不善閑居 物価が上がって支出は増えたが原稿料据え置きで収入は横ばい

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某月某日

台風のせいで予定がすべて吹き飛び、いや台風はまだ吹き飛ばずに新幹線を止めたりしているのだがそれはともかく、仕事をするしかない状況ができた。本日書いた原稿は二本、一昨日に一本、昨日二本書いている。先週はまったく書けず、わずかに一本できただけだった。原稿料を合計して今月これまで稼いだ分と合算したところ、目標額までの進捗率は27.16%という惨めな数字が出てしまった。なんということか、廃業の危機か。これじゃ食っていけないだろう、と嘆きつつ冷静になって考えてみると、8月は某賞の最終選考をやっているし、別の賞の下読みもしているのであった。その分を足し忘れていた。原稿書きではないけど、あれも立派な仕事だからな。それでようやく77.77%である。このあと週末に必死こいて何本か書いたら、なんとか90%くらいまでは行くかもしれない。

それにしてもライターとしては悪い数字である。反省しなければ。選考などの原稿書きではない仕事は、あまり比率を増やしてはいけない。減らすべきということではなく、原稿書きを増やさなければならないということだ。反省しなければならないだろう。しかも週末にがんばっても100%は到底無理そうなのである。いつからそんな不甲斐ない子になったのか。

この原因はわかっている。単行本を出すための作業が多くて通常の仕事がおろそかになったというのは言い訳だ。だが、単価の問題もある。インタビューなどのライティングは、20年前の水準で原稿料が抑えられたままになっている。ここが上がらないと、仕事をしても売上は小さいままだ。毎月の目標額は支出に応じて設定している。そっちは物価と共に上がっていくが、収入はそうではないのである。売上も横ばいだが、利益率は下がっている可能性がある。怖いから調べてないけど。いや、調べないといけない。

単価の高い仕事を請けないと、このままでは困ることになる。営業をするしかないだろう。新しい連載をどこかで取ってこないとなあ。

あ、9月8日の〈スギエゴノミ〉と28・29日の松浦四郎若独演会はどうぞよろしく。

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