杉江松恋不善閑居 石神井公園・草思堂

Share

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存

某月某日

石神井公園の続き。

きさらぎ文庫は駅の南口から出て路地を入ったところにある。その路地を入らず、道を東に行くともう一軒古本屋が見えてくる。草思堂である。

草思堂にはリサイクルショップの性格もあり、店頭にもグッズなどが多く展示されている。店内にも置物やアクセサリー、玩具などを置いた棚があり、バラエティ豊かである。

それでいて古本屋として少しも手を抜いたところがないのが素晴らしい。通路は三本あって、いちばん左側は手前が均一棚、奥に帳場があるのでその前に昭和の古い本など珍しめの本が置かれている。いちばん右はコミックが主となり、手前に前述の非書籍の商品が固まっている。奥のほうには見ごたえのある芸能棚もあって侮れない。持っているので買わなかったが、価値のある本が多かった。真ん中は趣味の本や人文科学書が細かくジャンル分けされて置かれた棚がまずあり、奥に向かって進むと希少価値のある漫画の棚になる。いいものを適切な価格で置いてあり、ここで足止めされてしまう客は多いはずだ。

とにかく均一棚の密度が高く、松本恵子訳のアガサ・クリスティー『情婦』(角川文庫)が100円なのを発見した。こんなもの、買うしかないだろう。その他にもたくさん買ったが、全部で千円にならなかった。安い。嬉しいほど安いが本が増えた。

出たところでもう一度店構えを見る。個人経営の古本屋としては店構えが大きく、往時の一般書店ほどの規模がある。新古書店的でもあるのに、きちんと価値ある本も集めてあるところが素晴らしい。近くにあったら三日と空けずに通うだろうな。

池袋にて講師、そのあとちょっと食事をして帰る。

金曜日は一日書き仕事。ある原稿に手間取って成果なく終わった。しかし原稿の二次利用についての打診が来たので報酬は稼いだことになる。書けなかった原稿は土曜日朝に終わらせた。二つ仕事をして勤務評定は1.0。十月末までに稼がなければならない金額への進捗率は30.30%となった。

本日はこれより紀尾井ホールの浪曲大会。来年1月19日のチケットも持ち歩いているので見かけたらよろしくお願いします。また、1週間後には〈スギエゴノミ〉も迫っているので、そちらもよろしく。明日は東京ビッグサイトで博麗神社秋季例大祭である。

Share

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存