杉江松恋不善閑居 紀尾井ホールにて豪華浪曲大会

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某月某日

紀尾井ホールにて日本浪曲協会の豪華浪曲大会の開催日である。昼夜2公演で合計14人の浪曲師が上がる。昼の部の主任は天中軒雲月会長で「忠僕直助」、夜の部は東家一太郎「大石東下り」。

午前中に雲月会長から電話があり、1月19日の東西浪曲会チラシが足りないというので、持参することにした。時間があれば五反田の南部古書会館に寄ってから行こうと思っていたのだが、ちょっと時間が無くなる。前日から苦戦していた原稿を終わらせたかったからだ。それを終えて送稿したところでなんとか外出できる態勢になった。この原稿と、某社からの二次利用依頼に応えたので勤務評定としては1.0。10月に稼がなければならない額への進捗率は30.30%となった。いろいろ懸案事項にもメールで回答したので慌ただしい午前である。

紀尾井ホールでそのまま夜まで。物販コーナーで三代目玉川勝太郎肝入りで創業されたベルボアの浪曲カセットがボックス入りで販売していたので購入する。ダブりはあると思うが、ボックスが重要なのである、ボックスが。

夜の部は旧知の編集者Kが来てくれた。チケットが1枚浮いたので前日に声をかけたら、空いていたのである。浪曲は別の会にゲストで出た玉川姉弟くらいしか生で聴いたことがないというので、前の曲師が見える席に案内した。今回の浪曲大会は若手による「掛け声レクチャー」もあり、なかなかの親切設計である。

後で感想を聴いた。声でいいと思ったのは特に「松山鏡」を演じた国本はる乃だったそうだ。「松山鏡」は落語浪曲で笑いが多いが、それでも節は見事に聴かせていた。シリアスな話だとこれがもっと凄いことになるよ、と教える。

大会出演者はみな熱演でいい公演だったと思う。夜の部は特に、その外題では過去でいちばんいいのではないか、というものが多かった。特にトリの一太郎「大石東下り」バラシの節は、曲師・東家美との息も合って圧倒される出来映えだった。初めて聴いたお客さんは、浪曲に魅了されたんじゃないかな。

もし関心を持ってくださった方がいらっしゃったら、来週10/26は午前に東家千春・志乃ぶ姉妹による年季明け1周年記念の会、昼にベテラン鳳舞衣子独演会がありますので、どうぞよろしく。夜は人気者・坂本頼光のカツベン会です。

さて、これから支度をして博麗神社秋季例大祭である。がんばります。

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