この日から神保町古本まつりが始まるのだが、あれはそんなにがんばって行かない。あって当たり前の神保町よりも、営業しているかどうかわからない場所の古本屋を訪れるほうに努力したい性分なのだ。なので、後日に改めて伺うこととし、午前中に家を出る。向かうのは千葉県内房の某所だ。
そこに浪曲関係の大事な生き証人がいらっしゃる。前々からお話を伺いたいとお願いしており、今回ようやく両者の予定が合ったという次第。東京駅地下から総武線快速君津行きに乗ってまっしぐら。千葉を越え、蘇我あたりまで来るとだいぶ東京から離れた感じになる。昔会社員時代に外房線某所に短期間住んでいたことがあるが、車窓の眺めはそれとあまり変わっていない気がする。某駅で降りてX氏に出迎えていただき、事務所にお邪魔した。
最初は、私などが話すことがありますか、と謙遜していらっしゃったが、内容はおもしろく、また促すと次から次に資料が出てくるため、あっという間に二時間が過ぎ去ったのだった。
そこから駅まで送っていただき、また総武線快速で都内に戻る。この日は鮎川哲也賞、創元ミステリ短篇賞、創元ホラー長編賞の東京創元社三賞授賞式があるので、顔を出した。受賞者挨拶を聞き、乾杯になった後で、編集者の某さんを見つけて話し込む。差し迫った用事で、どうしてもお話しておきたいことがあったのだ。お互いがんばりましょう、ということになって話はおしまい。早々に会場を辞す。直接お祝いを言いそびれたが、受賞者の山口未桜さん、歳内沙都さん、上條一輝さん、おめでとうございます。どうぞご健筆を。
帰宅し、早めに就寝。土曜日はアートスペース兜座で一日演芸会の〈スギエゴノミ〉だ。11時~東家千春・志乃ぶ姉妹浪曲会、14時~鳳舞衣子浪曲独演会、18時~坂本頼光無声映画カツベン会と盛りだくさん、どの会も当日券を出せそうなので、どうぞお越しになってください。