京阪行おまけ。
大阪から帰ってきて向かったのは浅草木馬亭における真山隼人独演会である。前日も大阪の山本能楽堂で真山隼人独演会を聴いていたわけで、まるで追っかけである。木馬亭のツキイチ独演会はなるべく通うようにしている。
謎の花嫁 隼人・さくら
ぼったくり焼肉 隼人・さくら
山月記 隼人・さくら
「謎の花嫁」は一言でも書いたらネタばらしになるという謎多き外題で、真相がわかったとき場内に爆笑が起きた。「山月記」は中島敦原作の文芸浪曲。初代真山一郎と二代目春野百合子の流れを汲む文芸浪曲路線は真山隼人の武器なので、これからも磨いていってもらいたい。そのためには一流の原作を手がけて得意ネタにし、世間からの認知度を上げていくことだろう。12月7日に東京公演を予定している浪曲「じゃりン子チエ」もそのつもりでお手伝いしているので、ぜひ成功させたいと思う。二席の合間に挟まったエッセイ浪曲「ぼったくり焼肉」はジャンジャン横丁での実話だそうで、木馬亭からの帰り道にKさんと、もしかするとあの店ではないか、などと話し合った。
明けて翌日は火曜日。溜まっていたあれやこれやを片付けるのに忙しく、あまり記憶がない。午前中にリモートで松井ゆかりさんと「エンタメ丼」の収録をする。松井さんと話しているうちにその日が「本格ミステリベスト10」の〆切日であることに気づき、終了後に投票。この収録はどういうわけか接続がぷちぷち切れて見苦しいところのある動画になってしまった。原因は不明、もしかすると当家のWIFI環境を更新しなければならないのかもしれない。午後2時まで粘って仕事をし、外出する。目的地は神保町で、インタビュー取材である。神保町だが終了後はまっすぐ帰って仕事。本当ならこの日も田原町の日本浪曲協会会館で真山隼人の出演する火曜亭があったのだが行く余裕はなかった。アンケートだが原稿を送っているのでこの日の勤務評定は0.5である。
また明けて翌日は水曜日。朝いちばんで原稿を仕上げて送り、いろいろ業務処理をする。その中には他人の仕事オファーもあって、結構密度の高い午前中となった。正午過ぎに外出、12月7日に浪曲「じゃりン子チエ」の公演が行われる王子・北とぴあドームホールの下見である。実際中に入るのは初めてなので、いろいろな問題点を発見できた。対処法もだいたいわかった。王子を出て向かうのは埼玉県の某所で、ここでかなり濃厚な打ち合わせをした。内容について報告できるのは来月上旬の予定である。その打ち合わせ内容を受けて一件仕事というか業務のオファーをした。受けてもらいほっとする。埼玉県なので帰りは京浜東北線、必然的に赤羽の平岩書店に寄ることになる。忙中寸時の閑。相変わらず外は一般書、中はアダルトでくっきりと分かれた古本屋だ。帰宅してもう一本短い原稿を送る。勤務評定は2.0ということになるか。
またまた明けてその翌日は木曜日。ちょうど浪曲木馬亭の定席中だったのだが、あれやこれやでなかなか行けなかった。この日は三門柳代演で天中軒雲月が出るのでさすがに行かねばなるまい。だが到着して、体調不良のため富士琴美に代々演になったことを知る。これは仕方のないことだ。その富士琴美、「母への手紙」が名演であった。行ってよかった。中に養老院に入っている92歳の女性がさのさを歌う場面があり、このアンコが私は大好きなのだ。終わってからちょっと時間が空いたので新橋駅のSL広場で行われている恒例の古本まつりを1時間だけ見る。本当はもう少し腰を据えて見たいところだが、後に予定があるのだから仕方ない。19時から池袋コミュニティカレッジで講義をし、へとへとになって帰る。この日の勤務評定は-1.0。原稿を送れていないから仕方ない。
またまたまた明けてその翌日は金曜日。さすがに〆切が気になってきているのだがもろもろの用事をこなさなければならないこともあって机の前にじっとしていられる時間が少ない。もう少しだけごめんなさい。原稿は送れていないのだが、前に送った企画書の手直しなどが多数あり、やり取りだけは多い。この翌日にジャン=クリストフ・グランジェのトークイベント司会という大役が待っているので、それを無事に終わらせることが急務なのである。午後いっぱいまで粘ってあれこれし、夜になって出かける。都内某所で大事な会議である。集まった人々と密談し、深更まで。ついでに浪曲会のチラシも持って行って押し付ける。あの中で一人でも来てくれるといいのだが。
またまたまたまた明けてその翌日は土曜日。上に書いたとおりジャン=クリストフ・グランジェ氏と堂場瞬一氏の対談を司会するというお役目を言いつかっている。14時半ごろ外出し、飯田橋にある日仏学院へ。建物に入るところで堂場氏とお会いした。グランジェ氏はサイン会の途中だったので、邪魔にならないようちょっとだけ挨拶する。堂場氏とその日の進行について話し合っているところにグランジェ氏が戻ってきて、同時通訳のお二人も入れての打ち合わせとなる。16時半開演、さしたる問題もなく話は進み、予定を数分押して終了した。質問者として作家の高野史緒氏が手を挙げられたので堂場氏は驚いていた。私は事前に高野さんから来場されると伺っていたのだが、堂場氏にはお伝えし忘れていたのであった。会場内には他にも複数の関係者がいらっしゃった。お忙しい中来てくださった皆様には御礼申し上げます。終了後は何か打ち上げ的なものが催される気配も感じたのだが、家族に近くのハナマサで肉を買って帰ると約束していたので、そのまま失礼する。ハナマサで肉を買って家で鍋。疲れたので就寝した。この日の勤務評定は-1.0。
というわけで大阪行後の一週間であった。ちなみにこの週に稼いだ原稿料と、額を聴きそびれたがもらえるはずの出演料などを合わせると、11月中に稼がなければならない金額への進捗率は10.00%となった。大きく出遅れているので、ここから挽回しなければならない。捲れ。