昨日は取り掛かった大物原稿がなかなか進まず時間だけが過ぎていくという塗炭の苦しみを味わった。仕方がないのでレギュラー原稿を一本だけ書いて辻褄を合わせる。これはもう駄目なのではないか、と暗澹たる思いに駆られながら寝る準備をして風呂に入ったら、あぶくのように最初の一文を思いついた。その導くところに従って書き進めていけば、あとはするするとつながっていくのである。ああ、助かったと思い、寝てしまう。目覚めて取り掛かったらところ、昨日までの苦闘が嘘のように文章が出てくる。あれよあれよという間に規程枚数まで書けてしまった。また首の皮一枚でつながった。
実働でいえばわずか三時間くらいの働きで書いた文章だが、その前にああでもないこうでもないと考えているところも仕事なのである。書けない自分を確認するという仕事もあるのだ。書けない自分を情けなく眺めている自分がおり、その嘆息が微々たる後押しになって仕事を前に進めていく。だから、書けないからといって机の前からどいたらいつまで経っても書けないのだ。冷や汗を流しながら考えるのも仕事のうちである。
これで年内にやらないといけない仕事は以下の通りとなった。
レギュラー:週刊5、月2回刊1。
イレギュラー:文庫解説2、インタビュー構成3。
その他:動画制作4、鼎談1、演芸会手伝い1。
本日はこれから池袋コミュニティカレッジの講師である。その前にどこか寄り道するかも。いや、しないかも。