杉江松恋不善閑居 ライター稼業存亡の危機、博麗神社例大祭申込を忘れました。委託をお願いできないでしょうか。

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某月某日

この日曜日は博麗神社例大祭in静岡でした。

新刊はなかったのだけど、代わりに既刊を2冊購入くださった方に1冊進呈というキャンペーンを実施して、なんとか形になるだけの頒布ができました。ブースに来ていただいた方に御礼申し上げます。今後ともどうぞご贔屓に願います。

月曜日に帰京したので、すぐにこの挨拶を上げようと思っていたのだが今日になってしまった。というのもショックなことがあったからである。

さあ、次は5月5日の例大祭、と思って準備をしようとして、ふと気づいた。

そういえば配置の連絡が来ていない。

まさか、と思って調べ始めて、頭からさっと血の気が引いた。

配置の連絡が来ていないのも当然で、申し込みをした形跡がないのである。

しまった、やらかしたか。

どうやら静岡例大祭の申し込みをしたのを春例大祭のそれと勘違いしていたようなのである。一次〆切ばかりか二次まで見逃しているので、我ながら呆れる。思い込みというのは恐ろしいものだ。1月から2月にかけてスケジュールががちゃがちゃになっていて、なんとか切り抜けられたと安堵していたが、まさかいちばん大事なものを見落としていたとは。

その衝撃でがっくりして、例大祭という文字を書くのも、見ることさえ嫌になってしまい、今日まで来てしまったわけである。

たかが同人イベントと言うなかれ。私にとってこれはライター存続の危機なのだ。

41歳で東方Projectの魅力にとりつかれ、2014年に同人活動を始めて今まで十余年やってきた。昨年がちょうど十周年の節目、2025年からはさらに気持ちを入れ替えて活動をしていこう、と思っていた矢先の大失態であった。なぜあのときちゃんと申し込みをしておかなかったか、手続きをしたかどうか調べなかったか、と自責の念に押しつぶされそうになっている。

私の職業はライターである。これは関心ある物事を文章にして世間に広めるという仕事である。ミステリーや浪曲、芸能などさまざまなことを書籍にもしてきた。

東方Projectにも同様の強い関心を持っている。しかしこのジャンルにはあくまで同人として関わろうと決めた。二次創作という形で参加することが歓迎されるジャンルであり、それによって世界が広がってきた歴史がある。私ができることはごくわずかだが、東方Projectという世界ではその歴史を紡ぐ役割を自分も担えるのである。こんなにありがたいことはない。

好きなことを好きでいるためにライターをやっている。その意味では、生計を立てる目的ではなく、好きだという表明のためだけにやっている同人活動は最も太い柱である。よく、同人はごはん、商業はおかず、という言い方をする。あれはふざけて言っているわけではなく、本音である。好きなことを好きでいるためには、同人活動が必要なのだ。少なくとも私にとっては。

それを自分の過ちでふいにしてしまった。がっくりもしようというものである。

幸い、6月15日の東方名華祭申し込みはできているので、上期も新刊が出せないわけではない。だが今年は4冊、春秋の例大祭と名華祭、紅楼夢で新刊を書くと決めていたのだ。その1冊が浮いてしまった。どうすればいいのか。もちろん、イベントと関係なく書くことはできる。できるが印刷をすれば在庫ができてしまう。頒布の機会というものが必要なのだ。

今は気持ちも落ち着いてきたので、名華祭に向けて新刊を準備しようという気持ちになっている。だが、どうしても諦めきれないのである。

もしこの日記をご覧の中に博麗神社例大祭にサークル参加をされる方がいらっしゃったら。そして、私の〈腋巫女愛〉新刊を委託してもいいとお考えいただけるならば。ぜひお願いできませんでしょうか。もちろん売り子のお手伝いなどもいたします。

自分勝手なお願いで申し訳ありません。ご検討いただけるだけでも幸いです。

自分の不始末を晒す内容で申し訳ありません。ここまで読んでくださった方に感謝申し上げます。そして5月5日の博麗神社例大祭が変わらず盛会でありますように。

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