あわただしかった週末の続き。
午前6時に熱海のホテルで目が覚める。同宿の一行に挨拶をして早々に宿を出た。午後2時から山梨県の上野原文化ホールで木村勝千代独演会があるので、そこに向かうのである。
ホテルを出て気がついたのだが、前日よりも格段に冷える。これは絶対コートが必要だと判断し、いったん家に寄ることにした。そのため新幹線に乗ったのだが、これが好判断であった。人身事故で東海道線が止まってしまったのである。何事もなくすいすいと午前9時前には帰宅できた。
コートをひっかけて再び外に出る。早く出たおかげで時間に余裕がある。ならば行くべきところがある。高円寺の西部古書会館だ。この日まで青札古本市が開催されているのである。ちなみに前日は、東京古書会館の和洋会、南部古書会館の五反田遊古会と三つの古本まつりが開かれる集中の日になっていた。その二つは金曜日に行っておいたから大丈夫。神奈川古書会館まで開催されていたら、回り切れないところだった。
休日は快速が止まらないので総武線で高円寺駅に着く。さっさと歩いて古書会館に。ここでの古本まつりとは相性が悪くて、なかなか拾えるものがないのだが、この日はちらほらと見つかって助かった。親子連れがやってきて、旧いウルトラシリーズの本をはしゃぎながら見ている。そういうのはいいものである。将来古本マニアか特撮マニアのどっちかになってください。
再び総武線に乗り、三鷹駅で中央線特別快速に。上野原までは一時間もかからない。駅で下りたら、やはり会にやってきたHさんとばったり出くわした。二人で30分ほどかけて会場の上野原市文化ホールまで歩く。駅は河岸段丘の中途にあり、最初のほうは坂がきついが、上ってしまえばあとはなだらかだ。この場所を通っていた甲州街道沿いが市街地の中心である。
のんきに歩いていたので、開場少し前に到着した。人がぞろぞろと集まってくる。私はホールの中央後方に席を取ってもらっていた。このくらいの位置のほうが声をかけやすいし、全体を見渡せるのである。14時きっかりに開演。
秋山の民話「無生野大念仏踊りの起原~雛鶴姫と葛城宮鶴綴王」勝千代・美舟
甲州街道浪曲「今昔お玉が井」勝千代・美舟
勝千代さんは上野原市PR大使に任命されていて、甲州街道浪曲の新作に取り組んでいる。上野原市は数年前に秋山村と合併した。それもあって秋山の民話も浪曲化を続けているのである。二話とも素晴らしい出来で堪能した。秋山の民話のほうは初演だと思う。
終演後はまたてくてく歩いて駅へ戻った。甲州街道沿いの道で「あうん」という素晴らしい居酒屋を発見、16時から空いているということでHさんと軽く打ち上げをした。出るととっぷりと暮れており、甲州路の薄暮の中を駅へと向かう。