杉江松恋
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街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2018年9月唐木田に古本屋の幻影を求めて
前回も少し書いたように、実家は八王子市にある。といっても外れのほうで、隣の多摩市との境界線上といってもいいぐらいだ。最寄り駅は京王線と小田急線の多摩センター駅である。それまでは一つ手前の永山という駅にある団地に住んでいた。中学から高校に進むときに引っ越したのだが、卒業名簿には新しい住所がわからないので書かなかった。たしか私は同窓会の役員か何かにされて...
街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2018年9月井の頭線古本屋巡り
最近鉄道遠征に乗じて古本屋通いが続いている。開き直って、井の頭線の古本屋に一日でまわってみることにした。若い友人二人と井の頭線の渋谷駅で待ち合わせ、京王線の一日乗車券を買って出発する。本当は渋谷古書センターから回り始めたかったのだが、開店が十一時と遅いので見送る。どうせ、週に一度くらいは行っているのである。 というわけで最初は駒場東大前の河野書...
街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2018年9月八高線全線乗車
あとで書くつもりなのだが、この夏は青春18きっぷを購入して、あちこちに出かけてみた。本当は自分の足で歩きたいのだけど、大病の余韻がまだ抜けていなくて体力に自信が持てないのと、今夏の気候が日本はどうしてしまったのかと思うほどに惨いものだったので、慎重になったのだ。子供と一緒に一回(きっぷ二回分)、単独で二回の鉄道旅行をした。単独行の一回は泊りがけだった...
街てくてく~古本屋と銭湯、ときどきビール 2018年9月、わたらせ渓谷鐡道
つい先日、八高線に乗ってきた。高麗川~倉賀野間が非電化区間である。非電化の路線は関東にはもう一ヶ所、わたらせ渓流鐡道しかない。八高線に乗ったのだからついでに、ということで言ってきた。大学二年生でそろそろ夏休みもおしまい、という子供も一緒である。 初めて訪ねる路線のだから、せっかくだから最初から最後まで通しで乗ってみたい。つまり桐生から間藤までだ...
杉江松恋不善閑居 ビートたけしの落語について(水道橋博士のメルマ旬報補足)
立川梅春ことビートたけしの落語をちゃんと聴いてみたいと思いつつ、いまだ果たせずにいる。この場合のちゃんと、とは生で、ということを意味するので、当分先になりそうだ。 昨日配信された〈水道橋博士のメルマ旬報〉で、連載「芸人本書く列伝」は三冊の本をとりあげた。「師弟と芸名」で括って考えた三冊でもある。取り上げた順に書くと、林家木りん『師匠! 人生で大切なこと...
杉江松恋不善閑居 新人賞下読みラストスパートメモ
7月第1週が〆切になっている新人賞下読みがあって、数日間かけて残りを一気に読んだ。読んでいると、あ、ここが残念、とか、こうしてくれたらよかったのにな、というような気持ちがぽこぽこ浮かんでくるので、twitterで書き留めておいた次第である。 改めて見かえしたら結構な数になっていた。カテゴライズして並び替えてもいいのだが、自分の思考過程を眺めるつもりでそ...
杉江松恋不善閑居 第40回小説推理新人賞選考座談会
「小説推理」8月号を読む。お目当ては第40回「小説推理新人賞」選考座談会である。 この賞は毎回最終候補作それぞれについての選考委員の講評があり、どの作品を受賞作にするかというところまで座談会の模様をすべて収録している。小説家志望者には非常に勉強になる内容のはずである。特に選考委員が桜木紫乃、朱川湊人、東山彰良の三氏になっての前回は読みごたえがあった。結...
杉江松恋不善閑居 池尻大橋ホーチャン!
退院してから初の内科通院日だった。現在の体重を報告し、低血圧のことも話す。待合室で血圧を測ったら上が98の下が58で、正常値よりもやはり下回っていた。結果、今処方されている薬を替えようかという話になった。少しは症状も改善されるとのこと。 体重はさすがに減っている。何キログラムがいくつになって、と書こうかと最初は思ったのだが、止めておく。...
杉江松恋不善閑居 あの人が杉江さんの悪口を言っていました
私は大学のときの口癖が「よし、訣別しよう」で、意見や人生観が合わない人と無理をして付き合うことはない、納得づくで関わらないようにしたほうが互いのため、という考え方をそのころから持っていた。 以前にも書いたように高校以前の人間関係はごくわずかなものを残して捨ててしまったので、私には大学以降の付き合いしかない。その中で誰かと訣別するときは、なるべくフェアに...
「翻訳メ~ン」2018年上半期スペシャル!
二人合わせて翻訳メン! 翻訳ミステリーばかり読んでいる翻訳マン1号・川出正樹と同じく翻訳マン2号・杉江松恋がその月のお薦め作をトークで紹介する「翻訳メ~ン」、今回は2017年11月~2018年5月の2018年度上半期の秀作を総括する特別版です(収録:文京区本駒込のBOOKS青いカバさん)。ゲストとして文藝春秋翻訳出版部・永嶋俊一郎氏をお招きし、...