杉江松恋
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杉江松恋不善閑居 暴力の気配は当人の意図とは無関係に噴出する
某月某日 午前中は仕事読書で終始する。本当は昼前に出たかったのだが、そうもいかず食事をしてから東京古書会館の書窓展へ。いろいろ見ている中に、栃木県のかぴぱら堂がユースホステルのピンバッジを出しているのが目に留まる。そうだ、ユースホステルはこうやってバッジを作っていたのだった。それを帽子にネジ止めしてみんなつけていたのだった。あのネジが時々頭に当たって痛...
杉江松恋不善閑居 原稿持ち込みの営業と中村橋・古書クマゴロウ
某月某日 前日に終わらなかった文庫解説原稿を仕上げてしまう。この原稿料で6月末までに稼がなければならない目標額までの進捗率は95.62%まで上がった。もう少しだ。 15時に外出し、都内の某出版社へ。ある人の原稿持ち込みである。結構余裕を見たつもりだったのだが、資料準備があってぎりぎりになってしまった。普段行かないフロアに上がり、お付き合いのない編...
杉江松恋不善閑居 文庫解説はこうやって書いている
某月某日 前日に終えられなかったインタビュー原稿を完成させ、送稿。書きあぐねていた文庫解説に挑戦する。なんとか切り口を見つけて進められたが、残念ながら時間切れ、すみません明日必ず、とメールをして家を出る。途中で他人の仕事の持ち込みについて2件営業をかけた。本日の業務評定は4.5、6月末までに稼がなければならない額に対する進捗率は88.87%ととなった。...
杉江松恋不善閑居 もう転職はできないので一生ライターでいるしかない
某月某日 前日に続き、一日籠ってお仕事。急ぎのインタビュー原稿が仕上がり、送稿した。もう一つ手がけるも、完成には至らず時間切れとなる。原稿を一本送ったので0.5、また新しい仕事の依頼が三本、これは正確に言うと二本セットが一つと独立した一本の仕事である。これで依頼を貰って3.0。さらに他の人を売り込む営業のアポイントがとれたので2.0。合計で5.5という...
杉江松恋不善閑居 賃金が上がってもたぶん原稿料は上がらない
某月某日 先週は出歩いてばかりで疲労が溜まっている気配もするし、やらなければならない仕事も積んであるので外出を控えて一日原稿書きに没頭した。朝いちばんでまず小さい原稿を片付け、次に〆切が来ているレギュラー仕事を二本。ここで力尽きて昼寝をしてしまった。やはり体力が落ちている。夜は朝日カルチャーセンターの講師仕事がリモートであったので、それで時間切れになる...
杉江松恋不善閑居 三代目春日井梅鶯を聴いたことと佐原・武雄書店
某月某日 起床したら8時を回っていた。若干寝坊気味である。調べたら、まだ間に合うことがわかったので急いで身支度をして外出する。千葉県東庄町に行くのである。 毎年千葉県では、老人クラブ連合主催で「なのはなシニア演芸会」が各地で開かれる。かつては浪曲がトリをとるのが定番で、故・玉川福太郎も呼ばれたことがある。一月半ほどかけて県内をぐるぐる回るのだ。し...
杉江松恋不善閑居 好書会とミステリちゃん収録
某月某日 午前中いっぱい仕事読書をして、午後から外出。高円寺の西部古書会館で好書会が開かれているのでちょっと覗く。鴨川つばめの執筆している少年キングと『マカロニほうれん荘』連載末期の少年チャンピオンが出ていたので購入。『マカロニほうれん荘』は単行本未収録回があるのでひょっとしたら、と思ったが残念ながらその号ではなかった。 移動して渋谷へ。「ミステ...
杉江松恋不善閑居 ジャンルの既得権益ではなくて歴史に敬意を払う
某月某日 起床して仕事をしていたら、猛烈な睡魔に襲われた。どうやら睡眠が足りていなかったらしい。自由業の気ままとて、そのまま布団に戻りたいという誘惑に駆られたが、なんとか我慢をして家を出る。東京古書会館で初めての試みとして萬書百景市が行われるのだ。電子で配布された目録はなんと200ページ近い。こんな充実した古書即売会はまたとないので、眠いなどと言ってい...
杉江松恋不善閑居 紀蔚然さんにお会いしたこと&神保町・波多野書店他
某月某日 午前中は仕事読書。正午過ぎに外出し、都内某所にてインタビューのお仕事。先週から数えて4本目のインタビューだ。打ち合わせもたくさん入れたので、人に会う日々である。終了後はしばらく時間が空き、神保町で波多野書店から矢口書店までの並びをひやかす。どこかでまた仕事読書をしようと思いさぼうるに行ってみたが、相も変わらずの賑わいぶりである。ここは照明も暗...
杉江松恋不善閑居 ひとに期待しすぎるのは互いに迷惑だから全部捨ててしまおう
某月某日 午前中に坂嶋竜さんと「文庫大研究」の収録をして、後はひたすら仕事読書の一日。浅草木馬亭に行く余裕もなかった。 単行本の担当をしてくれている編集者から二社同時に連絡がくる。一つはもう決まったスケジュールなのだが、後から入ったもう一社のものが、思ったよりも早くなっていた。一社の初校を戻すと次の初校、それを戻すと最初のほうの再校というように、...