梁石日
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小説の問題vol.23 「お父さんとパンジー」志水辰夫『きみ去りしのち』&船戸与一『龍神町龍神十三番地』
今月も新刊と再刊各一冊を採り上げるが、共通項は「お父さんとパンジー」だ。なんだ「パンジー」って?という疑問もあるだろうが、それは最後のお楽しみ。 まず最初、志水辰夫『きみ去りしのち』は九五年に刊行された短編集の文庫化作品。スタンダート・ナンバーで統一された題名が告げるとおり、旧き良き時代への郷愁が全編に漂っている。 表題作の主人公...
小説の問題vol.1 梁石日『血と骨』
杉江松恋、お蔵出しシリーズの第三段は、誌名が変わり「読楽」になったかつての中間小説誌「問題小説」に十年以上連載していた書評を再掲していきたいと思う。確認したら、第一回はなんと1998年だから20年以上も前だった。今読み返すと稚拙で恥ずかしい部分もある文章だが、推敲は最小限に留めてお出しする。ああ、へたくそな書評だなあ。 98年はのっけか...