落語立川流
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芸人本書く列伝classic vo.6 立川談四楼『談志が死んだ』
「とんでもねえこと書きやがって、てめえなんざクビだ失せろとっとと出てけこの大バカヤロー」 突然の罵声である。その日、立川談四楼の自宅の電話に、こんな一方的な留守録が入った。たまたま別の階にいて受話器を取れなかった談四楼は慌てて折り返しの電話を入れる。怒声の主が、師である立川談志だったからだ。 おそるおそる話しかけてみると、たちまち相手の声は怒りの...
芸人本書く列伝classic vol.4 立川志らく『談志のことば』『談志・志らくの架空対談』『DNA対談 談志の基準』
すごいぞ、立川志らくの狂気がどんどん進行しているぞ! 会ったこともない人をつかまえて失礼千万なことを言っているわけだが、でもすごいのである、志らく。ちょっと目が離せないことになっている。 立川志らくが落語立川流家元・立川談志に入門したのは1985年のことである。当時は日本大学芸術学部に在籍し、落語研究会で活動してい...
芸人本書く列伝classic vol.3 吉川潮『談志歳時記 名月のような落語家がいた』
かつて『泣き虫』という本があった。 プロレスラー・高田延彦が自身の半生を振り返り、ライター・二宮清純がまとめたものである。当時はまだミスター高橋『流血の魔術 最強の演技』(2001年)に端を発するプロレス暴露本ブームのさなかであったから、2003年にこの本が刊行されたときにもそうしたものの一冊として受け止められた。だが刊行から10年経った今にな...
電撃座通信 立川談修「談修アンプラグド #2」20170707
2017年の7月7日は雨の降らない七夕だった。 この日に開催されたのが、落語立川流真打・立川談修さんの「談修アンプラグド ♯2」である。題名からおわかりの通り、電子機器の拡声機能を使わないことを重視する落語会である。落語は筋立てだけを楽しむものではなくて、噺に滲み出てくる演者の人柄が大事な要素になる。それをよく理解してくださっているお客様がこの...
電撃座通信 「寸志滑稽噺百席 其の三」20170630
2016年に開催された「若い(入門10年未満)おじさん(33歳以上で入門)の会」を通して思っていたことがあった。落語立川流の立川寸志さんは現役二ツ目では上から二番目というこの会の象徴といってもいい存在なのだが、今のうちに滑稽噺のレパートリーを増やしておけば真打になったころにはすごい武器になるだろうな、ということである。亡くなった十世桂文治の「豆屋」とか五代目...
落語会レポート 下北沢に桂文字助降臨。立川談四楼下北沢独演会20170415
4月15日は万難を排して下北沢に行かなければいけない、と思っていた。 落語立川流(をすでに退会なさっているらしいが)桂文字助がゲスト出演と知らされていたからだ。ご存じの方は多いかと思うが、膝を悪くされていて10年近く高座には上がられていない。「生きて動いている文字助を見られる最後のチャンスかも」と談四楼さんが煽るものだから、もう使命感というか切...
落語会レポート 立川志ら鈴・志ら門「二ツ目昇進トライアル」志らく講評に思うこと 20170326
お招きをいただいて、立川志ら鈴さん・志ら門さんの二ツ目トライアル興行にうかがった。二人は後輩のうおるたーさんと共に電撃座で「立川さんちの喫茶★ゼンザ」という勉強会を毎月開いてくれている。応援のつもりで駆けつけたところ、広小路亭はすでにほぼ満席状態だった。 ご存知の方が多いと思うが、落語立川流の二ツ目昇進には噺を五十席、講釈の修羅場(ひらば)とし...
電撃座通信 立川志ら鈴・志ら門・だん子「立川さんちの喫茶☆ゼンザ #18」20170124
落語立川流の前座さんが二ツ目昇進のために開いている勉強会「立川さんちの喫茶☆ゼンザ」は毎月第四週に開かれている。一人二席、一席はネタおろしでもう一隻はその月ごとにお客さんからテーマをいただく。一月は「おめでたい噺」だった。また、立川流では二ツ目昇進の条件となっている歌舞音曲の成果を披露するコーナーもある。 十八回目となるこのときは、レギュラーメンバー...
チミの犠牲はムダにしない! その18『借金2000万円返済記』快楽亭ブラック
このへんから現在の「芸人本書く列伝」(『水道橋博士のメルマ旬報』連載)につながってくる。文中で「師匠」と書いているが、芸人に対する尊称をどうするか、このころはまだ決めかねていた。現在は芸界の人間ではないので、と割り切って実際にお会いした際なども一切「師匠」とは呼ばないようにしている。現在の自分から見るととても違和感がある文章なのだが、過去のものであるので、...