パク・ミンギュ 一覧

幽の書評VOL.28 エーネ・リール『樹脂』、フランシス・ハーディング『嘘の木』、パク・ミンギュ『ピンポン』

少年少女の奇妙な夢を載せて物語の翼は羽ばたく 深夜の街に一人のこどもがやってくる。住人が静かに寝息を立てている家に忍び込み、そっと物を持ち出していく。あまりに滑らかなので小さな盗みに気づく者は誰もいない。 『樹脂』の作者エーネ・リーは、北欧の取り替え子を連想させる、現実離れした主人公の肖像を冒頭でまず描いてみせる。まるで妖精のよう...

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